公演情報
「ザ・ポルターガイスト」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/09/21 (日) 14:00
座席1階
見事な一人芝居だった。パンフレットによると、初めての一人芝居だったという。十数人に及ぶ登場人物を声色、視線、身振り、体の動きなど役者として使えるすべてを動員して明確に演じ分けていた。先人も書いていた通り、本来はかなりの人数で演じられる舞台を、村井良太独り占めで楽しめる、ファンとしてはたまらない舞台だったろう。ミュージカルなどで名を上げ名優として数えられるようになったと思うが、村井はまた一つ、役者としてのステップを上がったのではないか。ラストのスタンディングオベーションはそれへの賛辞だったと思うし、彼が去り際に見せた柔らかな笑顔は大きな達成感を表現していたと思う。村井を抜擢したプロモーションは慧眼だった。
主人公は画家のサーシャ。姪の誕生日パーティーに呼ばれたのだが、その出席メンバーが彼女の心をかき乱すような連中なので本当は出席したくない。だが、パートナーに促されて車に乗る。そのあたりからサーシャの心の叫びを、さらに会話も同時に演じ出し、観客を巻き込んでいった。
村井の芝居にくぎ付けになっている客席からは大きな笑いが何度も起きる。心の叫びは怒りや憤りがメーンだが、圧巻なのは最終版。ここでのサーシャの姿は感動的である。
「バリモア」を演じた仲代達也がこんな趣旨のことを言っていた。一人芝居は役者の人生がすべて盛り込まれ、その力が舞台を支えるのだと。まさに、村井もこんな心境だったのだろうかと、最後の笑顔を見て思った。
実演鑑賞
満足度★★★★
フィリップ・リドリー作品との出逢いは「ピッチフォーク・ディズニー」
そして「宇宙でいちばん速い時計」「ガラスの葉」といずれも過去の観劇歴においてはトップクラス、超名作揃い
当時は震えるほどの感動がクセになって何度も劇場に足を運んだっけ
それから10年以上の年月を経ての本作「ザ・ポルターガイスト」
かつての染み入ってくる様なゾクゾク感は軽減した印象
一人芝居という事で過去に観た公演とは勝手が違ったものの
主人公のイタい感じが可笑し味に繋がっていくのと同時に本当の痛みが観ている側の感情と共鳴してくるのは、どこか共通したところ
役者のスキルを総動員した全身全霊の演技、村井良大さんファンにとってはもう最高の舞台なのでは
主人公を中心に10人以上の人物が登場し、掛け合いもするわけだけれど、ひたすら村井さん一人を注視していれば良いというのが凄い!