英介とやっかいな仲間たち vol.2 公演情報 英介とやっかいな仲間たち vol.2」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    最終日ソワレ観劇
    昨年のvol.1は出演者4人が各責任者で、バラエティ豊富な内容でしたが、今年のvol.2は山中弟が責任者。
    タイトルの「おかげ参り」は、公演が開催されるにあたり関係者、劇場、観客等多方面から受けた厚情に対してのタイトル。

    話の内容が、'08年公開のウェス・アンダーソン監督の映画「ダージリン急行」という作品にインスパイアされて脚本を書き上げたそうで、山中弟氏の記念すべき一編の処女作戯曲(!?)。
    一部映像を交えた、約90分のロードムービー風芝居。
    映画は未見、なので見ていたらもっと観賞ポイントも違うと思うけど、言葉や行為に頼らず、優しくって、少し憎めない兄弟の再生物語。
    母の愛情はでーん!と大きく強く、そして優しい。

    出演者は2~4役の掛け持ちのため、早入れ替わり。歌があったり、おなじみのキャラが出たりと内容盛り沢山。休憩コーナーの幕間には日替わり担当者による出し物があり、自分が見た時は山中兄の劇中キャラのまんまの一人芝居?でした。←用事あってちゃんと見られなかった。残念。
    劇中、篠井さんの美と歌声を間近で見聞きできる贅沢さに感動倍増。
    それぞれ、力のある役者さん達ばかりだけど、適度なユルさもあり。ただ、小劇場等で見てる舞台ではないし、お酒飲みながら見る分にはちょうど良い、充実した面白味ある舞台でした。

    今回の舞台をDVD化するという事で予約はしていたが、今のところ、通販等の予定はない模様。

    ネタバレBOX

    コロッケにするならムネ肉がお薦め←見た人にしかわかんないけど。

    映像作品の出演も多い聡さんが作った作品故か、前作(vol.1のガラスのお面の時と)同様、今回も映像使用し、冒頭の映像挿入から物語が進む。
    オープ二ングの映像導入部でなぜ旅に出る事になったのかと、軽く触れるが、その映像の中に、どっかで見たような顔がちらほらと見え隠れしてて‥w

    ある日、事故で長男が瀕死の状態にあう。その時、あるメッセージをキッカケに疎遠になっていた兄弟と、父親の遺言を果たす為、子供の頃に離ればなれになった母親に会いに行く事になり、新幹線で待ち合わせる事に。地味で静かなペースで進み始め、兄弟の結束を固める為の珍道中。映画がインドを舞台なら、ここでは四国巡礼みたいな感じ?

    妻の実家がタクシー会社を経営している一郎。
    事故の為、頭に包帯、首にはコルセット、足は引きずり、そして胸には決してブラジャーなんかではない大胸筋サポーター装着。小袋に詰めた白い粉を持っている。それがどこか怪しげで疑心が募るニ郎と四郎の弟二人。
    羽振りの良さそうな兄に仕事の無心をする二郎。
    白スーツに白い靴、テアドロップ型サングラス、チャラさが妙に似合う無職。実はvol.1でも登場し、華々しく解散したエアバンドボーカルのレオナルド・デカチンチン。
    三男の三郎が不在の訳は‥。
    売れないライターの四郎。
    幼少時の兄弟間の話をネタに本を出版している。
    金銭的に余裕ありそうで、そうでもないそんな三人。兄が握手をしようとするが長年の気負いがある為か微妙な空気も醸し出す。
    久しぶりの再会にぎこちない三人、並んで座った座席はどこか狭苦しくも見える。

    新幹線の車窓から見える風景は、見る人によって悩みや不安を抱え込んだ分、違う景色にも見えているのかもしれない。
    トンデモない伝染病で隔離された母親と再会して、後に歌手となって回復した母親。ここら辺はお馬鹿テイスト満載。だけど、なぜかその境遇に澄んだ気分?にもなれる不思議さ。
    舞台上には登場しない父親。遠い存在かと思い、交わる事のなかった父と子。父の希望で縁の地に遺灰をまく一郎の長兄としての潔さ。兄と弟、これからの関わりを模索している二郎の表情。自分の幼い記憶の中では覚えきれなかった父の存在感の行動と、それを静かに聞き入る三郎の表情に思わず心が揺れた。

    最終日という事で、終演挨拶時、劇中使用した私物小道具のオークションを開催。これはどっかに寄付、などではなく単に「赤字なので!」という事で実施。
    草野さんはグッチの紙袋に入ったバンドメンバー時代のネクタイ
    山中兄は旧国鉄時代の車掌さんの帽子
    山中弟は腕時計
    篠井さんは着用しているステージ衣装とスカーフ等の小物4点セット
    ・・英介さん、せめて衣装と小物は別にして欲しかった‥w

    昨年に近い感じかなーとぼんやり思い込んでて、開場後、暑かったんでお酒呑んでややほろ酔い状態の観劇。が、予想外に真面目で良い話だったんでビックリした。なので、ちゃんと理解しきれない部分が多々あると思いまーす。でも、満足、充実した舞台観劇でした!

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