からまる法則 公演情報 からまる法則」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 物語が出来過ぎだけど
    一筋縄では解決しないホームレス問題に関する物語を 
    あえてハッピーエンドで終わらせたのは、
    たぶんこのカンパニーの、この題材に対する“ねがい”なんだと思った。

  • 満足度★★★★

    おまけで4点
    脚本が、王道といえば聞こえがいいのですが、古臭くて考察が浅い印象です。現実社会でも問題とされているホームレス、浮浪者を扱うのであれば、もう少し見識を深めるか、多面的な考察が欲しいところでした。

    ネタバレBOX

    経済成長期なら評価が得られたかも知れませんが、20年以上の不況を経て、社会的弱者を支える側の納税者が疲弊しきった現在、見ていて不快になる内容でした。

    勝手な言い訳で自らの主張、権利ばかりを振りかざし、義務も責任も負わない者達や、人助けを錦の御旗に周囲への迷惑を顧みない団体の内情は分かりましたが、現実社会で迷惑を被る立場の客は商店街側の視点に立ってしまいます。まずは、彼らが、何故、都市部にいなければならないのか、と言う疑問を解いて欲しいと思いました。

    都市部は勤労者が集中し、職場に近い場所に住みたくても、住居費が高く、やむなく一時間以上かけて通勤している社会人が沢山います。これらの社会人の税金、年金で養われている者が、仕事も家もないのに、都市部にい続ける意味が分かりません。人が多い場所でトラブルを起こしたり、安全・衛生上の不安をまき散らすより、過疎地でのんびりすれば良いのに、と思います。

    特に半身不自由なオヤジの勝手な言いぐさや態度は不愉快でした。相手が女性なら弁護士でも食ってかかり、男性なら不良少年でも懐柔しようとしたり、トイレが遠い、近所がウルサいだけで人の親切を無にし、周囲に甘えるだけで努力も我慢もしなければ、仕事や家が無くなっても当然です。多感な若者が将来不安を感じ、襲撃しても仕方がない側面があると思いました。

    企業をリストラされた父親も無責任すぎます。妻子を持てば養う責任が生じます。主夫になる環境がなければ、自らが稼ぎ続けることが責任です。企業人は自らの健康管理が基本で、心身に無理がある場面では周囲に助けを求める責任があります。何より職業選択は自由ですから、心身が耐えられないなら会社や働き方を変えて、妻子を守るよう動くべきです。

    父親が相談すれば息子も家計の為に働けたでしょうし、母親も死ななかったかも知れません。ギリギリまでプライドにしがみつき、挙げ句に自分の殻に閉じこもり、反省もなく周囲に甘える姿勢に人として疑問が残りました。現実社会では、多くの社会人が不満を持っても、耐えて、妥協して、頑張っています。

    本作で描かれた者達をそのまま正当化することは、頑張っている人達に失礼だと感じました。昭和の無責任社員全盛期なら、弱者も受け入れる経済的、精神的余裕があったでしょうが、現在は支える側が限界にあります。それでも、享楽的に生き、将来に備えなかった人達を、生活保護等の多額の社会保障で支えています。

    炊き出しより、地方で自給する態勢を整えるなど合理的方法の提示があれば、良かったと思いました。なお、障害者については、責任が親にありますから一緒に論じることは出来ませんが、何故都市部に居続けたいのかは疑問です。本作は、脚本に見識、考察の浅さが感じられ、残念です。

    演出は、さすが俳優座というレベルでした。舞台全体をバランス良く使い、見せ方が上手でした。特に、最後の桜が良かったです。演技も良かったです。滑舌が素晴らしく、とても聞き取りやすかったです。障害者を始め、演技力も良かったです。雨の場面では、細かな演技から雨の冷たさが伝わってきました。商店街のおば様も良かったです。感情的にならず、段取りを踏むしっかりした様子に好感が持てました。

    内容から、大半は腹立たしい思いで見ていましたが、役者さんの真実味ある演技があってこそだと思います。素晴らしいと思いました。
    内容はさておき、役者さんの演技力や美術、舞台装置は素晴らしかったです。客席の椅子が古くて音が出るものもありましたので、修理してもらえると助かります。座っている人も居心地悪そうでした。スタッフワークは手慣れていて、気持ち良く鑑賞出来ました。


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