満足度★★★★
世界を広げてくれる芝居
green flowers の舞台は雰囲気が良いなあ。
小劇場界では比較的観客の年齢層が高いというのもあるんだろうけど、人間を見る目があたたかいからなのかも。 なのに、あたたかさの裏に哀しみもあることを想起させられるんだよね。目に見える風景や台詞は、基本あたたかなのに・・・なんか不思議。
この芝居は、文豪森鴎外の子供たちの生活を描いている(主役は、長女の茉莉)。
長男於菟を演じたのは、小泉康介さん。
この小泉さん。以前、自己紹介の欄で 「経歴 : 演劇研究所を3つ位卒業しました」「好きなもの : “ウラ”と名の付くもの全て」というのを読んじまって、もう喰いついちゃったよね(笑)。 で、演技なんだけど、その棒読みのようなセリフ&妙な間・・・「下手だな」って思う。でも、クセになる魅力を持ってるんだよなあ。そんな訳で、小泉さんが登壇すると、見事なまでの心地良い不協和音を舞台上に浸透させてくれる。芝居への集中力が、さらに1ランク上がるというか・・・のめり込ませてくれるんだよね(笑)
ま、「下手な感じ」であることは、間違いないんだけどね!笑
漫画や芝居における蛭子能収さんのような感じ。それが小泉さん。
芝居に話を戻すと・・・今回の『ふきげんなマリアのきげん』も、雰囲気の良いお芝居でした。終演後、森茉莉の小説とエッセイを買っちゃったくらいに。そして、エッセイを読みながら想像する「パッパに溺愛されて」「美しいものが大好きで」「生活力のない」 森茉莉の姿は、さとうゆいサンそのものなんだ。
やっぱ芝居の持つチカラって凄いね。
4人の子供たちのキャラもたってたなあ。
末弟(?)の天然のしたたかさを持ちながらも、押しが弱いところ。
それに対して、次女の押しが強いところ(笑)
この次女の存在感は、凄いものがあったなあ。ちょっとウザいんだけど、いなきゃ寂しいみたいな(笑)
でも、それぞれがちょっとずつ弱いところを持ってるのが良かったなあ。
あの母親をして、この子供たちの体たらく。父親のオーラで飯を食う哀しさ・・・でも、そんな彼女ら彼らが何故だか愛おしい。
そういう意味では、あの後妻に育てられなかった長男於菟の生きっぷりってのは興味が湧くなあ。
ま、医者として立身出世するのも、鴎外の威光があってのものだったのかもしれないけどさ。それにやっぱり、パッパのこと随筆に書いちゃってるし(笑)
あとは、お隣のオバチャン。
彼女がいなかったら、この芝居は重~い雰囲気に包まれたかも。
生活力と明るさにあふれる良いオバチャンだったなー。
ま、「女」としての魅力は欠けちゃいるし(演じた松本舞さんは美人です)、洗濯物の畳み方は雑だったけどな!笑
満足度★★★★★
惹きこまれました
こういう落ち着いた脚本のお芝居は好きです。役者さんも腰が据わっていて、安心して観れるというか、こちらもじっくり楽しめます。脚本、演出上の工夫もあって、見事に惹きこまれました。
満足度★★★★★
無題478(12-221)
19:00の回(曇)。だいぶ時間があるので目白駅から歩き、ブックオフ、スーパーや古本屋などに立ち寄る。18:30受付、開場。green flowersは「そう、みじかよ(2011/6)」から続けて3作目、さとうさんはタッタタの客演を含めると4作目。舞台はどこかの一部屋..劇中、アパートの2階であることが明らかになりますが乱雑で何年もこのままだったような住人の性格がでている部屋。薄汚れたガラス戸の外には鮮やかな緑、8畳ほどの床には古新聞、洗濯後(?)の衣服、ビン(どうもアルコール系にみえるけど、飲むシーンはない)が敷き詰めたかのように、どうもこの部屋の主としては整理してあるようです。押入れを改造したのかクローゼットや本棚になっている。上手はベッドでここにも古新聞やなにやらでいっぱい。手前には梱(?)、上に本。18:53「後ろからで」と断りがあり前説、19:05高井さん...が舞台に登場、前説で開演~20:48終演。
終演後、「そう、みじかよ」の台本を買い、本公演DVDの予約をし、目白通りを駅へ。
思えば、2作とも兄弟姉妹であったり親子であったり、その離れがたい関係を柔らかく包み込んだような印象を持っていて、今回、初めて「悪役」が配されていた。確かに、見た感じでは親子です...は厳しいと思うのですが、悪い人たちという設定をもう少し活かせたらなとも思いました。
今回、「村田さん」役の傍若無人ぶり、厚かましさ100%にはまってしまいました。いくらお隣さんとはいえここまで来ると天晴れ。