小夏の青春 公演情報 小夏の青春」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    千穐楽のオープニング、日下諭さんとのデュエットは「もしかして PARTII」。正直なところ、序盤は今イチに感じたが、やはり後半は盛り上がったしグッときた。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    無料公演。再演だが、演出と演技が違うようで 別公演を観た印象。
    冒頭、前回は映像を使用したが、今回(初日)は高円寺K’Sスタジオの日下諭さんと「別れても好きな人」をデュエットするところから始まる。選曲は 劇中の映画スター 銀ちゃんへの気持か。前回は、銀ちゃんとヤスの人物像を立ち上げることで、逆に小夏の心情を浮き彫りにしていったが、今回は 小夏の心情を前面に出した描き方だ。
    (上演時間1時間)

    ネタバレBOX

    会場入り口で 木村夏子さんが着物姿でお出迎え。素舞台。

    物語は、人気俳優の倉岡銀四郎と新人女優の小夏が出会い、破天荒な彼に惹かれていく姿、彼を慕う大部屋俳優ヤスの奇妙な友情、2人の間で揺れ動く女優 小夏の姿を描く。公演の見所は 演技力。勿論一人芝居であるから、銀ちゃんの我儘や女遊びなどは小夏の心情として語り、ヤスは相手を詰るといった一人会話で情景を表す。衣裳替えで 舞台上に居なくなる時もあるが、そんな不在を感じさせないほどの高揚感と余韻を漂わせている。それを支える音響・音楽や色彩豊か・諧調する照明技術が巧い。それを日下 氏が担っている。

    場所は、「新選組」の撮影真っただ中の京都撮影所。最大の見せ場である「池田屋の階段落ち」が、危険であることを理由に中止になろうとしていた。そんな中、小夏の妊娠を知った銀ちゃんは、スキャンダルを避けるため ヤスに彼女を押し付ける。銀ちゃんを慕うヤスは、小夏と結婚し自分の子として育てることを誓う。そしてヤスは、銀ちゃんのため、小夏や 生まれてくる子供のために、命を賭けた階段落ちに挑む。

    見所は、演技力によって 小夏が<愛>もしくは<情>といった目に見えないコトに目覚めていく過程が切々と描かれているところ。印象的なのは、ヤスの実家へ結婚の報告、そして結婚式での様子が描かれている。銀ちゃんへの想いより、ヤスとの関りや暮らしが濃く描かれていた と思う。小夏曰く、「女は傍に居る人が好き」「必ず帰ってきて」と。女の心情・心境の変化といった情念にも似たような感情が迸る。前回に比べ 大きく激しい動作やアクションもある。驚いたことに、時々 「飛龍伝」の神林美智子や「売春捜査官」の木村伝兵衛といった、別作品の女性の影がチラつく そんな錯覚に陥る。やっぱり つか節(台詞回し)がそう思わせるのだろうか。

    着物から上下黒の洋服へ、そして脱いだ着物を抱き撓るような姿態が艶めかしい。ヤスに対しては危険なスタントに対する忠告をしつつ、それを強く止めない。銀ちゃんを思う気持、一方 ヤスはこんなにも危険な仕事をしているのに 小夏がまだ銀ちゃんを慕っている、その心の内の苦しさ故の妬みや荒み。しかし そんなヤスに対して小夏は普段着。そこには本来の 着飾らない素直な小夏がおり、生まれた子供(娘)がいる。銀ちゃんにもヤスにも似ず、母似の娘…そこに小夏の強かさを見る。ちなみに黒衣裳は、次回「売春捜査官」のPRを兼ねての演出。

    つかこうへい が、最後の付き人兼運転手だった木村夏子さんのために…それに応えるかのような気迫ある芝居。1人で主役3人の微妙な心持と奇妙な関係を見事に表現した好公演。次回公演も楽しみにしております。

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