公演情報
「朗読劇「ふれる、文豪」」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
本団体さんのこのシリーズ、可能な限り拝見しています。以前にリクエストした夏目漱石も演目にしてくれて良かったです。いつもながら、朗読劇にはとどまらない、動きもあるし、目を閉じると情景が浮かぶような素晴らしいお芝居でとてもよい時間を過ごせました。機会を得てまた、拝見できればと思います。
実演鑑賞
満足度★★★★
朗読劇の面白さや難しさ、そして醍醐味を改めて知る、そんな興味深い公演。水中散歩の公演(ストレートプレイ)は観たことがあるが、朗読劇は初めて。今回は「倫敦塔」(夏目漱石)、「幸福の彼方」(林 芙美子)、「さかずきの輪廻」(小川未明)の3編。終演後、どうして この3編を選んだのかを聞きそびれた。
読書は、自分の想像力によって物語の世界を操ることが出来るが、朗読劇は 演出や役者によって物語の世界が構築される。この空間でしか味わえない、独特の言語空間を作り出すからである。今回の3編はそれぞれ違った魅力を放つ物語。良くも悪くも、役者の朗々と読み上げる力は、眠気を誘うような心地良さ(⇦朗読力は確か という好意的な意味)。
自分は、3編とも読んだことがなく初めて。「倫敦塔」は、その歴史ある建物を見学した漱石の鑑賞もしくは感想を綴った印象。各塔を巡り、歴史に思いを馳せる。それは漱石の想像であり空想での世界を淡々と語っている。「幸福の彼方」は、夫婦という男女の間の機微が描かれ 感情が動く。「さかずきの輪廻」は江戸時代から代々伝わる盃、その骨董品に込められた思いが伝わる。具体的な内容は説明にある通り。自分なりの解釈では、「一人語り(一人称)」「妻と夫の二人芝居(二人称)」「盃という媒介(三人称)」といった違いを感じる。それゆえ、3編を選択した理由を知りたかったところ。
さて、先に記した眠気に関わるのは「倫敦塔」のこと。他者に言う言葉や、反対に自身の内面を探るような言葉(独白など)であっても、そこには感情がある。しかし、自分(漱石)の鑑賞を朗読で聞かせる(伝える)のは難しいようだ。読書であれば 漱石の意識と同化するかも。
なお 朗読劇だが、少し動き回り 衣裳や小物にも工夫を凝らす。また音楽が効果的で印象に残る。
(上演時間1時間30分 休憩なし) 追記予定