『残響』 公演情報 『残響』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-8件 / 8件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/08/12 (火) 14:00

    安倍晋三銃撃事件に想を得たフィクション(推定)。
    密接な関係の人物7人であの事件のバックグラウンドを描き、日常の中から浮かび上がる「不穏さ」を感じさせるのが巧み。
    そして事件の顛末を知っているだけに「その時」が近付いてくる緊張感とか動機に絡んだ「あの団体」のやり口とかがリアル(身近?)に感じられるというのもまた上手い。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/08/12 (火) 14:00

    暴力や犯罪、テロといった社会的視点の話はジャーナリストにまかせ、犯人及び身近な存在の人々の普段の生活に焦点をあてた群像劇に仕立てあげている点が、いかにも演劇人らしく感じました。

  • 実演鑑賞

    演劇実験室∴紅王国の野中友博が闘病中に温めていた企画を没後に白狐舎の三井快が引き継いでの公演。110分、8月12日までシアター711。

    https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/08/post-f4ec6a.html

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    事件を起こす前の日常を中心に話は進むが、周りの人達も皆悩みや苦悩が各々ありうまくいかない現実を思い知らされる。
    実際にあった事件なだけにこれ以上の犠牲者が出ないように願いたいと思うほど心に響いた作品でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    下北澤姉妹社、そして出演陣を瞥めて観劇に至ったが、紅王国/白狐舎(前者主宰の故中野氏が企画し、後者主宰の三井氏が脚本執筆)については前に一度両者が作品を持ち寄った合同公演を観ていたというのもあった。昭和史の事件を自分らに重なる「人」の視線で、「人」のドラマとして描いていた記憶であるが、今作は安倍元首相銃撃事件が題材。両団体の正体は知らねども縁あって観劇に至る。良質な舞台であった。
    事件の加害者となるらしい人物の属性として仄めかされる「宗教」との関わり(被害)は、決して特殊な事例ではなく、同じアパートに住むカップルや年金で暮らす管理人夫婦ら庶民らも、不遇からの救済を望むゆえにそうした「被害」と地続きである事もいつしか見えている。「信じたい心」「弱さ」を持つ彼らに作者はその報いとしての悲劇を味わわせるわけではないが、相応の結末は到来する。
    だが、劇の終盤、ささやかな人生を営もうとする彼らが小さな命を育むあるささやかな営みにおいて、初夏のある日、心和むひとときを共有する。
    この感動の所以は、作者が銃撃事件を起こした人物を決して特殊なケースとして炙り出す事をせず徹頭徹尾、同じ時代を生きる人間集団=社会の中から必然的に生まれた「現象」として描いた事にある、と思う。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。説明にある「2022年7月に起こった安倍晋三元首相銃撃事件をモチーフに」とあるが、銃撃犯とその周辺の人間模様を通して、現代日本が抱える課題や問題を浮き彫りにする。淡々とした日常に潜む得体の知れない狂気が不気味だ。

    少しネタバレするが、実際に起訴された山上徹也被告を 物語では山中徹とし、60年代に東京多摩地区に建てられた団地群に住んでいる としている。そこは横田基地の飛行音に悩まされている。また近年は住民の高齢化が進み、少子化も相まって居住者が減っている。住民たちはバブル期に就職した者、氷河期で就職できず非正規労働やバイト等といった暮らし向きの違いも描く。

    実際の銃撃事件、ニュース等では 宗教団体への献金が背景にあると言われている。物語でも宗教団体への献金やマルチ商法が描かれ、人の精神的な弱みに付け込んだ行為ー「信じることは病」が痛々しく紡がれる。公演では、事件の動機と同時に 先に記した問題等を巧みに織り込み 政治への不信を描く。問題や課題の解決は、政治家ー首相が舵取りをしており、その矛先を個人的な恨み辛みに止まらず幅広く、奥深く捉えているところが好い。
    (上演時間1時間50分 休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は、中央に回転壁を設え 場面に応じて回転させ 、団地の301号室と401号室を現す。どちらの部屋にも水槽があり、蛍の幼虫を飼育している。団地の住民有志(蛍会)で 毎年 蛍の放流をしており、登場人物は緩く繋がっている。最近はPFASによる水質汚染の懸念もある。

    登場人物は、団地の管理人夫婦 山中実、真紀、301号室の同棲カップル 野村拓海、神田響子、響子の母 雅子、401号室の山中徹とその妹 かおる。真紀は癌闘病中で夫と穏やかな暮らし。拓海は非正規社員、響子はアルバイトで経済的に不安定。そして雅子がマルチ商法にはまって浄水器を娘に売ろうとしている。また 徹の不審な行動、それを心配した かおるが たびたび部屋にやってくる。

    徹や かおるの母は登場しないが、或る宗教を妄信しており 団体へ多額の献金(=徳を積む)をしており、子供たちの生活を顧みない。2人は進学を諦め非正規社員やアルバイトとして生計を立てている。響子が、母からもらった どんな病気にも効く水(浄水器)のパンフレットを窓から投げ捨てた。それを空から降ってきた啓示として 真紀は縋った。信じる者は、本当に救われるのだろうか?公演では逆に「信じることは病」だと。銃殺された政治家と宗教団体との繋がりは明らかにされない。一方、環境問題や非正規雇用、高齢化や少子化といった政治課題を点描することで、日常に潜む不平・不満を炙り出す。

    演出は、衣裳替えをすることで季節の移ろい-時間の流れを表し 蛍の成長(放流)へ重ねる。そしてラストの銃声と閃光が鮮烈な印象を与える。
    次回公演も楽しみにしております。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    事実を基にした舞台はなかなかしんどい。
    事件を知ってはいたが、氷河期とか非正規とかも知ってはいたが、何もしてこなかったなあと思ってしまうから。どうしたら良かったんだろう。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    最高!すばらしかったです。まさか、あの山上哲也被告にスポットライトを当てた舞台だったとは… 安倍元総理大臣が銃撃されたあのシーン、ミニマリストな演出ですがすごいリアルでした。当時の音声にギターのハウリングの音なんかをサンプリングしていると思うのですが、音効さんいい仕事してるなと思いました。なにはともあれ力作ですね。ほんとすばらしかったです。

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