『地球☆空洞説~ちきゅう☆くうどうせつ~』The hollow Earth theory(世界初演!) 公演情報 『地球☆空洞説~ちきゅう☆くうどうせつ~』The hollow Earth theory(世界初演!)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-4件 / 4件中
  •   
      

  • 満足度★★★★★

    流山児☆事務所「地球☆空洞説~ちきゅう☆くうどうせつ~』The hollow Earth theory(世界初演!)」観ました
     歴史があって広い場内をフルに使う天野天街スペクタクル。2時間どこを見ても見所だらけ、少年王者舘フリーク鼻血(笑) 開演前の公園、終演後の劇場上空にまで芝居が溢れるワイルドさ。二時間しか経ってないとは…終演したのがしばらく信じられず…。
     そして、「地球空洞説」という概念に惹かれるのは、己の空虚さへの憂いか…孤独感にさいなまれる場面も。同じ日に、寺山修司の出身地、青森の劇団・野の上「東京アレルギー」を観たのも何かの因縁のような…
     終演後、天野さんにご挨拶してたら、天野さんのお友達曰く「ドリフの公開録画みたいだね」 場所の力(笑)

  • 満足度★★★★

    地球はカラッポ、空洞
    地球はもうじきおしまいだ!!

    「テラヤマ見世物ミュージカル」は、「お祭り」だ。
    「大騒ぎして、空虚で虚しい」って、なんて素敵なんだろう!

    ネタバレBOX

    公園にある公衆便所の上から始まり、ここで終わる。
    流山児祥さんたちがここに乗ってハンドメガホンで口上を述べ、「地球はもうじきおしまいだ~」の歌に送られて観客は劇場に入る。

    みらい座いけぶくろなんて洒落た名前にしているけど、豊島公会堂のこと。古めかしくて味わいがある。ここで上演する意味があるなとも感じた。本当は野外のほうが面白かったとは思うのだが。この登場人数では無理だな。

    みらい座いけぶくろ(豊島公会堂)は、独特の反響がある。
    だから、合唱の感じがいい。

    生演奏で50人ぐらいの俳優が舞台で歌い踊る姿は圧巻!
    J・A・シーザーさんの曲は、当然のごとく寺山修司との相性がいい。
    J・A・シーザーさんの曲は、やっぱり「合唱」だと思う。
    若い男女の合唱が切なくなる。

    かたやももう1人の音楽担当、坂本弘道さんの曲もいい。
    J・A・シーザーさんだけでない分だけ幅が広がったように思えるし、別モノだ、という違和感も感じなかった。

    今回演出にクレジットされているのは、天野天街さん、村井雄さん、流山児祥さんの3人。
    だからそれぞれの持ち味がそれぞれ活かされていたようだ。
    特に天野天街さんは、「いつもの天街ワールド」で、夕沈さんもいつもの「な〜」の語尾のような少年王者舘風味でもなんか、「見つけた」感があっていい。
    確かに「いつもの」すぎるところもあるのだけど、「テラヤマ見世物ミュージカル」としてはそれでもいいと思った。

    劇場の時計の表面が実はニセモノでだらりと垂れ下がるのがツボだった。

    銭湯帰りの男が1人、蒸発ではなく、余分に「勃発」することで、カオスになっていくという物語。
    自分が自分だ、と言い張る男たちや、母だと言い張る母たち、妹だと言い張る妹たちが、どんどん出てくる。「自己の喪失」ではないところの「(自己の)勃発」による、「オレは誰なのだ」というアイデンティティ的な問題もあるのだけど、結論としては「地球はからっぽ」で、「もうじきおしまいだ」なのだ。

    日本の今を見ても、ぐるりと世界を見渡しても、やっぱり「地球は何にもない空洞」で、「もうじきおしまいだ」と思わずにはいられない。

    空気女などの寺山演劇のシーンも盛り込まれていたり、あざとく、30年前(だったか?)のオレたちは何をしていたか、などと昔話をしたり、福島のことをちょろっと入れたりしていたが、基本は、大人数で大騒ぎして、お祭り騒ぎ。
    公演そのものも「からっぽだ」とまでは言わないけれど、それで十分だったと思う。
    つまり、「大人数で歌い、踊り、大騒ぎして、空虚で虚しい」なんて、素敵じゃないか! と思うのだ。
    「世界初演!」なんてのもバカバカしくていい。

    セットだった垂れ幕が落ち、劇場の姿になり、幕。
    そして、外に出ると最初と同じに公園の公衆便所の上に立つ、流山児祥さんがハンドメガホンで「終わりました」と客出しをする。
    上空にはぼんやり気球が浮かぶ。
    祭りは終わった。その虚しさが池袋の雨上がりの街に寒々しくっていい。
  • 満足度★★

    テーマの不在
    しかし、これだけ中身の薄い芝居を2時間もよく見せたものだ。

    ネタバレBOX

    映像を投射する見せ方は、天野天街の得意とするもので、それはそれなりに面白いのだが、映像も人海戦術もダンスも、劇のテーマがあってこそ生きてくるものだと思うのだが、冒頭の公園でのパフォーマンスから、最後の劇場外での気球飛ばし(大多数の観客は見逃していた)まで、一貫して訴えかけてくるものがなく、要するに信じられるものが全くないまま寺山レヴューを見させられた(間違ってはいけないが寺山ほどテーマに拘った人間はいない)というのが残念な感想だ。

このページのQRコードです。

拡大