公演情報
「オールライト」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/05/04 (日) 14:00
座席1階4列
価格10,000円
福袋付きの10,000円で鑑賞。
DVD が3,000円❌2枚、パンフレットが1,500円、上演台本1,000円。
これで8,500円分あるから、4,000円のチケットで2,500円お得になっている。
さらに、T シャツがおまけに付く。
DVD には納められていない舞台『クロニクル』のスタッフ用の余りか?物販の売れ残りか?
劇団のファンなら、嬉しい!
私は2枚のDVD の舞台を見ていないので、ありがたい。
さらに台本を読みながら、パンフレットの演出家と脚本家のインタビューを読み解くのも面白い。
しかし、これは舞台本来の楽しみ方ではない。
大分横道に逸れた。
今舞台の「オールライト」
私たち、昭和世代の映画党はデレクターズカンパニー、映画「太陽を盗んだ男」の長谷川和彦の登場で舞台を客観的に見れない。
平賀源内は、早坂暁シナリオの大傑作NHK
テレビドラマ「天下御免」を思い出してしまう。
そして、ラストは川島雄三の「幕末太陽伝」
たぶん、元ネタだろう?
上の作品を知らない若者は、ぜひ見てください。
今舞台の演劇部の女子高生になれます。
時代を跨いだ構成は、すばらしい。
その苦労もインタビューに書いてある。
私としては、この劇団の十八番セリフの重なり合いバトル。
過去作より重なるセリフに込められた意味が薄く感じてしまった。
題材が私の心を捕らえて、レビューになっていない。
ごめんなさい。
今の若者は、どう評価するかが楽しみ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
初見でしたが、お見事です。その時代の話、映画を造る人たち、演劇部の生徒、映画やテレビドラマなどの映像では当たり前に出来る事なのですが、一つの舞台でこれをやりきるとは。演技も台詞回しも素晴らしい。こんな劇団があったなんて知らなかったな~。観終わった後DVDの予約とパンフレットを買ってしまった。まだ五月初めですが、自分の中では今年No.1の舞台でした。これからはこの団体さんを追いかけてみよう。
実演鑑賞
満足度★★★★
最近渋めの芝居を観に訪れてる上野ストアハウスで、若手劇団を初観劇。考えてみれば手掛かり殆ど無し、開演一発目の照明INから眼前の現象を物珍しげに目を凝らして見始めたのであるが、ダレる事なく(脳内では感想文の語句が浮んでは消えであったが)最後まで持って行かれた。
劇団の人となり(劇団となり?)を想像するのが好きである。当パンのキャスト表に役名が無いのは残念だったが写真は大きめに掲載で親切。「ポッキリ..」所属とあるのが3名、男。芝居の照明の中では一人だけ識別できたが他は観劇後に照合。その結果私は「きっと劇団員」と踏み、演技面でやや不足を感じた役がある中、客演の応援で成立、という全体図を勝手に描いたのだが、実はその逆。団員は主役風情を他に譲り、脇の要に就いて芝居を支えていた。
脚本担当がパンフに「こういう脚本はもう書かないだろう」とあり、その真意をつかみあぐねる自分がいるが、というのもドラマ性、スケール感とも出来た脚本で、役者がそのポテンシャルに届こうと汗をかく。この関係は理想であって、もう書かない等と言わなくて良いんでは、、と外野は思ってしまう。
さて芝居は、教科書に出てくる江戸時代のある著名人の界隈、それを映画化しようとした者たちの界隈、その映像を授業で観た女子高生演劇部員の界隈。三層を行き来する。芝居で「ある作品」を扱う場合のリスクは、それがどういう作品なのかに全く触れないのでは具体性に欠き、かといってそれを受け取った人物が登場する以上「それに相応しい作品」である必要がある。この芝居では、その史実上の人物に事実性を負わせながら(なぜその人物か、については確答はないものの)、命を賭して作品製作に臨む人間たちの群像を描き出す。この芸術における「命を賭して」エネルギーを注ぎ込む様相が、映画監督を通して、彼の執拗なこだわりや、平賀源内演じる主役に抜擢された男に具体的なダメも出さず執拗にテイクを重ね続け、遅れに遅れる撮影現場。とうに予算オーバーも、ただ彼の熱意への「信頼」のみで金策に走るプロデューサー、ロケ地の要望に応えようと探し歩くスタッフたち、彼らの奔走、疲弊、崖っぷち感がよく描けている(3層の一つではあり、観客、役者とも「逃げ場」はあるが)。
名前を見る度、旗揚げのあの時あそこを通り過ぎた若者、という記憶だけ甦らせノッキングしていた劇団を漸く観られた。他人ながら健闘していて嬉しい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
安永5年、平賀源内がエレキテルを発明した時代が一つ目の世界。昭和57年、映画監督が平賀の人生を映画にしようとする時代が二つ目の世界。そして、平成19年、地方の女子高生がその映画との出会いがきっかけで演劇部に入部し、二つの時代を演劇にする時代が三つ目の世界。この三つの世界が交錯し、最後に一つに重なっていきます。
辛うじて三つ目の世界しか知らない私の世代には、平賀の江戸期と映画監督の昭和期の設定に関心を惹かれました。物語は3つの時間・場所も異なるストーリーが並行して進んでいきます。電気がすべての動力になる世界に夢を抱きながらも、周囲からは理解されず、仲間との溝が深まり、やがて破滅に向かう源内。撮影現場で資金繰りやラストシーンに苦労するプロデューサーや自分の理想を追い求め妥協を許さない監督、監督に厳しく言われながら映画を完成させようとする主役やあきらめないで奮闘する周囲のスタッフ。平賀源内の世界とその映画を撮る現場という複雑な脚本作りに苦労する女子高生とそれを支える演出家の親友。それぞれの世界と人々を交差させながら、三つの世界が一つに繋がっていきます。劇中の個性的や役者陣やそれぞれの時代設定に引き込まれます。この三つの世界を回想が始まるシーンが長野北高校の33歳の同窓会というのも意外で、意表を突かれました。
2時間があっという間で、女子高生達がその後どのような人生を辿っていったかも気になりました。そして、全体を通して源内の悲哀や苦悩が際立って印象的でした。演劇良い演劇を見せていただき、本当にありがとうございました。また観に行きたいです。