満足度★★★
熱くて暑い芝居だった
この芝居、もう20年近く前に東京でピスタチオによる初演を観た。
その時もド迫力の「パワーマイム」に圧倒されたものだったが、今回の芝居もそれに負けないぐらいの迫力で演じられていた。
主役の豹二郎の熱演はもちろん素晴らしかったが、なんといってもこの芝居の最大の魅力というか魔力のような吸引力を持つのはフランク黒川だろう。
オリジナルのピスタチオでは保村大和が怪演していたが、今回の舞台でもそれに迫るかのような勢いのある役者の演技が観れてとても面白かった。
総じて良好だったこの上演時間約2時間の芝居だが、問題点があるとすれば健闘しているとはいえまだまだ場面展開に緩さが散見されたところと、リンコと豹二郎との関係性の描写に薄さを感じてしまったところだろう。
また芝居の内容ではないが演出の都合上で空調を切っていたため、会場の室温がかなり上がってしまっていたことは、鑑賞の集中力を些か減退させる結果となってしまっていた。
久しぶりに観た「破壊ランナー」は、やはりとても面白い作品だった。