満足度★★★★
アクシデントを乗り越えて
昨年、世田谷ものづくり学校で上演した作品の再演で、天候や機材のアクシデントによるバタバタ感がありましたが、それが逆にパフォーマーと観客の距離感を縮め、一体感のある良い雰囲気になっていました。
屋外で上演の予定だったのですが、開場直前に雲行きが怪しくなり、開場した途端に雨が降り出し、急遽館内での上演に変更となり、道具の移動や音響のセッティングで開演が遅れる中、小野寺さんがユーモラスなトークで場を繋ぎ、音響の一部が出ないながらも無事開演しました。
初演時と出演者が2人代わりましたが、基本的には同じ演出でした(初演時の感想→http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=119121)。アクシデントの影響でいつものような精度の高さが感じられない部分もありましたが、とても楽しめました。
ジュリエットが眠り薬を飲んだところで、外に移動してくださいとのアナウンスがあり、残りのシーンは屋外のサンクンガーデンで演じられました。おそらく上演しながら出番のない間に外の様子を確認していて、外で出来ると判断して急遽変更したのだと思いますが、その手際の良さが素晴らしかったです。
広い空間と湿度を含んだ冷たい風がちょうど墓場のシーンに合っていて、素敵でした。
上演中にトラブルで動かなかった機械仕掛けの美術も終演したときには復旧して最初の部屋に動いている状態で展示されていて、メインディッシュの後のデザートのようで粋でした。
満足度★★★
とてもいい雰囲気
雨天による突然の会場変更や、機材トラブルなど、ゆるい空気の中での上演ながら、身体の説得力で、一気に客を惹きこむ出演者陣の芝居はお見事。
小野寺さんのアドリブなどもあり、和やかな空気の中、なかなか幸せな観劇体験ができました。
雨も上がって、屋外で行われた最後のほうのシーンは、ロミオの叫び声が柔らかな夕焼けに溶けていくような感覚が印象的。
作品的には、デラシネラの他の古典読み換えのような「新しい視点」の要素がもう少しほしかったかも。