神戸 はばたきの坂 公演情報 神戸 はばたきの坂」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.0
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  • 満足度★★

    やや綺麗ごとに過ぎるきらいが
    ミュージカル俳優として、実力ある出演者ばかりだし、謝さんの演出、振り付けにも興味があり、行って来ました。

    お隣の方は、またしても500円でご覧になったようですが、私は、5000円で、拝見。

    神戸のオーディションで、選抜されたというアンサンブルメンバーは、ダンスも歌も全員が揃っていて、お見事でした。

    ただ、アンサンブルの解説台詞は、全員で声を揃えると、音としては聞えるものの、言葉として、耳に届かず、これは全部歌で解説してほしかったと思いました。

    キャストは、皆さん、大変好演されていましたが、中でも、彩乃さん、照井さんの真摯な演技が印象に残りました。

    土居さんの透き通る歌声はいつ聴いても絶品。戸井さんが、いつの間にか、所作や殺陣風舞踊等、上達されていて、目を見張りました。

    ストーリーが、やや綺麗ごと過ぎて、当時をリアルに伝えていない点が残念でした。

    ネタバレBOX

    ブラジルへ移民するために、準備段階として、神戸の移民収容所で、日本最後の7日間を過ごす人々の物語。

    構成としては、シンプルで、よくまとまった物語なのですが、どうも登場人物全員が善人ばかりで、日本での貧困を苦にして、新天地を求めてこの収容所にやってきたような緊迫感もなければ、生活感も感じられません。

    たとえば、借金をして、夜逃げ同然に国外に移住しようとしていた男(宮川さん扮する)がブラジルへ行ける様に、つい数日前に知り合ったばかりの、やはり貧困から脱したい男(戸井さん扮する)が、妹(彩乃さん扮する)に頼まれて、いとも簡単に、保証人になったりします。

    でも、保証人がいなければ、ブラジル行きは認めないと言っている、債権者が、同じような立場の無一文の男を保証人として認め、無事、移民できるようになったりするものでしょうか?

    また、この保証人を引き受けた男の家庭では、以前、親が保証人を引き受けたばかりに債務を肩代わりして大変な辛苦を経験したと言うのに、こんな数日前に知り合っただけの男の保証人をまたしても引き受けたりするものでしょうか?

    剣さん扮する女性は、ブラジルで、夫を失い、現地の男と再婚し、子供を亡き前夫の両親に預けるために一時帰国し、この移民希望者達と一緒に、収容所で7日間を共にします。

    それは納得するとして、もう7年もブラジルに住んでいるこの女性が、他のメンバーと共に、ブラジル事情を講習する場に同席し、同じように説明を聞いているのも不可解です。

    自由時間に門限を破って、ウロウロしていた土居さん扮する女性が、出会ったばかりの親切な華僑にノコノコ付いて行って、相手の家に一晩泊まるとか、とにかく、描かれている出来事に、どうも眉唾っぽく感じる点が随所に見受けられました。

    そのため、どうも、へそ曲がりな私は、他の観客の皆さんのようには、あまり感動できずにおりました。

    ただ、最後の方のシーンで、剣さんが、一人アカペラで、「故郷」を歌いだした時には、日本人の血に作用したのか、不意に涙腺が緩む瞬間もありました。

    やはり、あの歌は胸に沁みます。

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