羽球魂 -我ガ友、イタク恋ヒラシ- 公演情報 羽球魂 -我ガ友、イタク恋ヒラシ-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★

    なんか、もったいない
    とても評判がいいので観たいと思っていた。
    しかし、見終わってみれば、なんか、もったいないな、という感想が残った。

    ネタバレBOX

    とにかくストーリーが一直線すぎて面白くない。
    台詞を話すときにの(ほぼ)棒立ちも気になる。

    そして、途中から気になったのは、誰かが話しているときに、聞き役の全員が、全身を使って、「ウンウン」と頷く演技だ。
    これが揃っていたり、揃っていなかったりするのが、とても気になって、気になって。

    台詞がテンション高く、早口なので、まるで餅つきで、餅をこねる合いの手のような頷きがあると、いいテンポが生まれてくるのかもしれないのだが、これにはどうも違和感がある。
    また、誰かが何かを言うと、いちいち「えっ」と驚いた顔をして、一斉にそちらを向く演技にも違和感を感じてしまった。

    全体的に早口で、なんかスピード感があるような感じだが、実のところ、そうでもない。
    例えば、いざ試合、という直前に「実は言いたいことがある」的な場面が2人分も入ってきて、一気にスピードが削がれる。
    1人ひとり自分の想いを、同じテンションで熱く語って去っていくシーンも、またしかりだ。

    ストーリーで言えば、財閥の娘とかおかまとか、まあいろいろ設定しているわりにはそれはそれほど活かされるわけではなく(財閥の娘は親の援助なしでやっている、ぐらいだし)、登場人物たちの葛藤も成長もそれほど感じられない。
    おかまを出せば面白いのでは、というぐらいの意識ではなかったのだろうか。実際はまったく面白くなかったが。

    スポーツだからなのか、ときどき、妙に男言葉で凄むような「〜ねえんだよ」的な台詞が入るのだが、たぶんカッコいいからということなのだろうが、これにも非常に違和感を感じた。なにもそんなしゃべり方しなくても、と思ってしまう。

    オリンピックという目標に向かってかんばっていく、というテーマがあり、「チーム」という設定もあるのだから、それぞれの目標や考えが違っている者たちが集まり、それがでこぼこしながらも最後に1つの目標に向かっていく、というつもりだったのだろうか。

    しかし、実際は、「がんばれ」と言われれば、「はい、がんばります」と答えるだけで、そこの葛藤もなければ、がんばっていくための成長も感じられない。
    怪我をしても「がんばれ」ば「オリンピックレベル」までならば、なんとかなるようだし、何より、全員が単に「強い」から「勝っていく」としか見えないのだ。
    負けたのも計算のうち、というような余裕があるのも、なんかイマイチなのだ。だって、オリンピックをかけての戦いなのに。
    強いだけの人たちに共感はしづらい。たとえ実力があってもいろいろあってそれがなかなか発揮できない、などがないと。

    水球やレスリングなどの他の競技から、「わざわざ」リクルートしたという意味も薄いし(理由は簡単に説明されていたが、「??」だった)、彼らが、今までとまったく違うバトミントンで戸惑うことなく、あっという間にオリンピックレベルに駆け上がっていくのには、やはり違和感を感じざるを得ない。
    例えば、彼ら固有の悩みや失敗があり、それを乗り越えるのが、かつてやっていた競技に関係したり、など、いくらでも展開があるのではないだろうか。

    「チーム」が大切だ、という割りには、チームワークが作られていく様子も薄いし、自分が選抜メンバーに残っていくための、駆け引きや戦いだってあってもいいのではないだろうか。

    今回の場合であれば、レスリングから来た井上の成長を軸にメンバーが「チーム」となっていきながら、勝利を手にするストーリーであれば、(それでもありきたりだけど)まだ面白かったような気がする。

    また、細かいことだが、開演前から舞台の上でやっていた「アルソック」のCMの体操。スポンサーなら別だけど(いや、それだったらよけいに嫌か・笑)、開演前のちょっとした遊びだと思っていたら、劇中にも何回も出てきてうんざりした。これを面白いと思っている人は1人もいない、とはいわないが、私は面白くないし、「面白いでしょ」と言わんばかりの押し出しに、白けてしまった。

    と、いろいろ書いてきたが、最後まで飽きずに観ることができたのは、役者の良さがあったからではないだろうか。

    女優陣の、台詞回しとそのタイミングは良いと思った。
    とくに零(平澤有彩さん)と祐美(関矢瞳さん)のやり取りのは「凄い」と思ったほど。呼吸ととテンポがハンパないのだ。
    これがあるから、ファンというか、応援したい、と思う人がいるのも頷ける。

    ただし、男優陣はそれに比べるともうひとつだった。女優陣は、舞台の上がったとたんに、スイッチがオンになり、台詞を言えるのだが、男優のほうは暖まるまで時間がかかっていたり、おかま役の人は、声を枯らしてしまっているようだったりと…。
    「男が強く生きようとしねえから、女が強く生きるしかねえんだよ」を見せるために、わざとやった、とは思えないし…。

    結果として、役者は力がありそうなので、脚本と演出がもう少し良かったら面白くなったのではないか、と思ったのだ。だから「もったいない」。

    だけど、あともう1回ぐらいは観てみようかと思う。
    それは、公演の最後に次回の予告編があり、このテンポがよかったので、期待できそうだったからだ。
    ただし、予告編を観る限りでは、つかこうへいの「広島に原爆を落とす日」にかなり似ているような気がしたのが、少々気かがりではあるのだが…。
  • 満足度★★★★

    関矢、復活の兆し
    土曜日に続き、千秋楽を観劇。
    土曜のマチネ後の書き込みでは、関矢の元気のなさを勝手に心配していたのだが、制作の佐藤さんの情報によると、ソワレ前に関矢が気炎をあげていたとのこと。自らの不甲斐なさに、休火山が噴火したのだろう。果たして千秋楽では、その関矢の気合が十分に伝わってきた。女帝は私だ、他の誰にも渡しはしない、そう聴こえてきた。
    都築も、引き続き快調。昨年の初舞台と同一人物とは思えない存在感である。餓死菓子、声が限界を超えてしまっている。この辺りは今後の課題であろう。
    3月半の断食で本劇団の得たものは大きかったと総括したい。さよならなつやすみで、更なる進化を見せていただくことを今から楽しみにしている。

  • 満足度★★★★

    新生EOE、断食の甲斐はあった
    長い断食であった。ようやく新生EOEを観ることができる高揚感と共に、昨年初めて訪れ、EOEと出会ったウッディシアターに入った。
    昨年は正直何を言っているのか聞き取れなかった都築の声がよく聴こえる。滑舌の訓練の成果がようやく実ってきたのか。今回の彼の役は意外なものであったが、よく頑張っている。初めての主役を勝ち取った菊池も、相変わらず前説から活躍している。2011年組の最後を飾る保坂も着実に成長している。
    2012年組はすでにブログデビューを果たしているが、板の上で観るのは初めて。中でも木崎千温の演技が光る。
    絶対エースの平澤は、ますますその持てる力を発揮している。何度か彼女の台詞に鳥肌がたった。
    今回唯一残念だったのが、女帝関矢。ハイスピード、ハイテンションのEOEの中で、唯一人、しゃべりのスピードが遅い。おそらくこれ以上のスピードで喋れば、滑舌に問題がでてくるのではないかと思われる。限界を決めてできる範囲内で闘っている感じを受けた。限界突破で闘うEOEの女帝を名乗る以上、もう一つ殻を破って欲しい。
    予告編で、次回があの作品と知った。また暫くEOEから目が離せそうにない。

    おっと、その前に先ずはあしたの千秋楽だ。

  • 満足度★★★★

    表現がすごかった90分
    EOE初見でしたが、大道具なし、小道具も、バドミントンのラケットだけで、素舞台でどんなものかと不安でしたが、やはり、ひとりじゃない、仲間を励ますのが、スポーツ演劇としての楽しさを証明。表現のあった90分でした。

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