第93話「お文の影」 第94話「ばんば憑き」 公演情報 第93話「お文の影」 第94話「ばんば憑き」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    宮部みゆきの江戸怪談は、可笑しく、悲しく、怖い。白石さんは現代の「語りべ」。
    先日の第三十夜『新宿鮫「毒猿」』に続き、
    『白石加代子「百物語」シリーズ 第二十九夜』
    会場は、昨日「容疑者Xの献身」大千秋楽を観たシアター1010です。
    お題は、宮部みゆき作の江戸怪談。
    前述の「新宿鮫」も良かったですが、時代物、怪談物は、まさに白石さんの語りの真骨頂が楽しめました。
    その語りと表情、表現は堅苦しくもなく、素晴らしく、大昔から語り次がれてきた物語の「語りべ」を思わせます。

    第93話「お文の影」長屋の道端、影踏みをしている子供たち。
    でも影が一人分多いことに気がついた。
    その長屋の場所には、悲しい事件があった…。

    親分の捕り物話をすべて覚えているという「おでこ」の表情をする白石さんの顔は
    可笑しくて、影踏みの女の子の話にホロっとくる、世代や性別を選ばない
    いつの時代にも必要な、だれでも楽しめて泣ける、いい話です。

    第94話「ばんば憑き」
    小間物商の若夫婦は、湯治の旅を終え戸塚宿に逗留していた。
    雨で足止めになった宿で相部屋となった老女は、
    深夜、50年前の恐ろしい出来事を語り始めた…。

    恐ろしい「ばんば憑き」の話と、ぞっとする結末。
    若夫婦の妻のかんしゃくは、最初はよくある多少は微笑ましかったのに、
    怖い結末に向かうにつれて、その妻の態度すらだんだんとシリアスに
    暗めになってくるのも、ありきたりではない何かを感じます。

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