満足度★★★★
後半は感動的だったが・・・
・・・とタイトルに書くと、前半はイマイチだったのですか?
と聞かれそうですが、個人的にはそういう印象です。
実は私も、高齢者・障害者・認知症、
そして医療同意や終末期医療の在り方、自己決定権の尊重はどこまで…
なんていう辺りに関わる仕事もしておりまして、
時々、独居老人宅や、ホーム、病院なども訪問しています。
そういう目で見ると、役者の皆さんの老け役、頑張っておられますが、
現実はもっと生気が無いことも多いし、
また個々人によりかなり違うものがあるのを経験していまして、
やっぱり「若い方が老け役としてやっている」という印象を
どうしても受けてしまいました。
そして、そういう中、スローテンポで、小さな出来事は起こるが、
まあ(チェーホフもそうですが)平凡な日常が流れて行く、という感じで、
ちょっと飽きが来ました。
後半はある意味、ぐっと劇的になります。
ここも、「自己決定権」なんて言葉を仕事上時々聞かされる立場としては、
やや「作り物」の感も個人的にはありましたが、
しかしシンプルな舞台装置の中にも美しい場面が、現れていたと思います。
前半は3P、後半は4.5Pかな、まあ四捨五入で4Pとしました。
満足度★★★★★
ゆっくりとストレートに
フライヤーから抱いていた印象とは違い、お年寄りらしいゆっくりさで舞台は進み、冒頭はその速度を退屈に感じましたが、ゆっくりとした言葉の伝える重みとまっすぐ心を捉える感情は素直な感動を生み出してくれました。
満足度★★★★★
老いるという事
穏やかな明るさと、優しさ。老いるというのは怖い事かもしれない、けれど実際の老いは決して無惨なことではないかもしれない、そんな気がしました。
満足度★★★★★
長い暗転の物語るもの
超満員の客席は老若男女入り乱れている。老いは誰にとっても切実で未知の分野だ。意外だったのは、きっちりと役者の眉毛やまつげまで老けさせ、もっとポップな仕上がりになっているかと思ったが、あくまで正攻法で老いを捉えたお芝居であったこと。美しいアコースティックな音楽が随所に散りばめられ、比較的長く取られた暗転の間、観客は様々なことを考える。こんなに効果的に暗転を使っている劇団を初めて見ました。全体にユーモアとほのぼの感に満ち、しかもひたむきな生をきちんと見せてくれる。老いることの無残さと、不思議な明るさを表現していて、とても感動しました。