リーディング公演「耳なし芳一」 公演情報 リーディング公演「耳なし芳一」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    贅沢なリーディングでした
    古典作品の「耳なし芳一」に作者の八雲と節子の挿話を盛り込み、日本的な怖さに加え、小泉夫婦の美しくて優しい温もりに触れ、畏怖だけでなく魅せて聞かせた贅沢で素敵な70分でした。
    そしてこの作品における木村了さんの和風美青年は貴重な存在。
    限られた観客数だったが、50代以上の男女が多かったなー。
    やっぱり怖い話には和蠟燭が付き物ですな。
    舞台化希望したいが、その時はキャストは変えないでほしい。(あくまで希望)

    ネタバレBOX

    会場全体暗くさせ、ステージはひな壇仕様。
    八の字型に椅子が置かれ、最前列中央にスペースがある。その真後ろにはスクリーン状の白幕、舞台最前列と後方列に和蠟燭が1本設置。
    時折入る影絵が綺麗、和蠟燭との陰影に映えて、それにまつわる音響も良いアクセント。
    「耳なし芳一」のリーディングに加え、所々に小泉夫妻の会話が挿入される。芳一と怨霊が接する場面では、中央のスペースに芳一とスクリーンに映し出された武士との対面し物語は結末へ。
    それに合わせ小泉夫妻のその後も八雲が蝋燭を消し、節子が二人の話と共に舞台の幕を降ろすかのように蝋燭を吹き消し終焉。
    暗転した中、客席に訪れた静寂に形容し難い贅沢な余韻を味わいました。

    冒頭、演出家の宮本氏が挨拶と解説。
    琵琶演奏の平田さんの随所に入る演奏と効果音に緊張したり、気が緩んだり音色のバリエーションが豊か。
    木村さんのしっかりと溜めの効いた台詞回しから、大げさだけど狂気の苦悩が良かった。
    横田さんの威厳と迫力の伴った武士から佐吉の違いぷりにホレボレ。
    春海さんのバランス良いナレーションと和尚さんの痛烈な誤算ぷりの切り替え。佐吉と和尚のやり取りにちょっと吹き出しそうになった。
    高畑さんの徳のある幼子の気高さが聞きやすかった。
    グレッグさんと大西さんの小泉夫婦、死を受け入れる潔さと覚悟。全てを言い表わさなくても愛情が伝わる言霊が溢れているような厳粛だけど、ほのぼのした関係にも見えた。

    八雲の傍にホラ貝あったけど、吹かなかったなw。

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