モナリザの左目 公演情報 モナリザの左目」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    初日観劇
    作演出の高橋いさをさんの2作品の上演作のひとつ。
    昨年のロクソドンタフェスティバルグランプリ(関西の舞台芸術の賞らしい)作品。
    前作タイトルは「知らない彼女」

    作品自体はシリアスで重めの題材だけど、配役各々がしっかりしているので見ていて苦にならない。舞台位置がやや高めなので後方から見た方が首が疲れないかもw。
    最初から中盤までに短いやり取りする弁護士と探偵さんの会話に和める。
    見応えのある2時間近くの舞台。

    初日の為か、小さい劇場はあっという間に満杯。
    ここからはやや愚痴になります。すいません。
    この作品に限らず「自由席なので」と自分が舞台が見えやすい位置に座っていたら、開演時間直前になって来る人に席を詰めて位置をずらすのって、なんかモヤッとする。あと終演後の関係者挨拶の為に追い立てるように誘導するのは考えてほしい。もうちょっと一般客にも優しくしてw。

    ネタバレBOX

    舞台壁セットの一部がよく見るとジグソーパズルのピース。
    タイトルにあるように「モナリザ」のジグゾーパズルを、加害者の義兄であり弁護士でもある滝島と、その案件を引け受ける事になった平田が(殆ど滝島が持ってたけど)片手間でやりながら話が進んでいく。

    さ程手のかからない案件かと思いきや、ある告発文が届き。

    被害者(最終的にやっぱクズ)と被害者の弟(頑張って生きて)。
    被害者から加害者と加害者の妻になってしまった2人。
    弁護士と探偵さんの時々ちゃんとしてる会話と軽い会話の面白さ。
    弁護士と加害者の義兄になってしまった弁護士の苦渋の色が見え隠れする葛藤の発言。

    事件の当事者同士が顔を合わせた瞬間、めぐみの顔が哀しみと歓びと揺れる陽炎のような顔で迫る衝撃。劇中では見る事の出来ないモナリザの左目からの視線もこんな感じなんだろうか。
    事件が解明され始めた後の真実の重さ、めぐみへの気遣いとそれを受け止めた事の決意と行動、愛情といたわり。
    判決時、それらが重なり合った佐野の表情が何とも切なく胸が痛かった。
    現実世界では裁判員制度があって。
    こんな事件の担当になったら、自分だったらどうしたら良いのかわからない。悩みながらも舞台上の佐野とめぐみの道行きは幸福であってほしいと思った。

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