スターダンサーズ・バレエ団 3月公演 公演情報 スターダンサーズ・バレエ団 3月公演」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    抽象バレエ3作品
    特に決まった物語を持たない、純粋にダンスを見せるタイプのバレエ作品3つの公演で、エンターテインメント性の高いものから、アーティスティックで実験的なものまで、色々なテイストの抽象バレエが楽しめるプログラムでした。

    『ウェスタン・シンフォニー』(ジョージ・バランシン振付)
    アメリカ西部を舞台にして、オーケストラによるトラッドチューンのメドレーに乗せて踊られる作品で、物語がないとはいってもダンサー達のやりとりやシチュエーションから物語的なものが読み取れる、賑やかな作品でした。
    第2楽章のプリンシパルを踊った方(キャスト表を会場に忘れてしまって名前が分かりません)がキビキビとした動きで、男性ダンサーに飛び込んで抱えられる動きを連発するところも決まっていて良かったです。フィナーレでの全員による群舞は細かいステップの刻みも揃っていて華やかで楽しかったです。

    『ステップテクスト』(ウィリアム・フォーサイス振付)
    舞台上の閉じた世界で完結しているのではなく、観客との関係や劇場の決まり事について考えさせられる挑発的な作品でした。
    休憩時間からそのまま合図なしに始まり、バッハの無伴奏ヴァイオリンの『シャコンヌ』が突如鳴り響いたり中断したりする中を黙々と男性3人と女性1人が踊り、時には素の状態で歩いたり、数分間1人で動かずに立っていたりと実験的な表現が刺激的でした。照明も唐突な暗転や、極端な暗さや照射角度が多用され、上演中に客電が明るくなったりと、見ている側の心を絶えず刺激し、凄い緊張感がありました。

    『ワルプルギスの夜』(ジョージ・バランシン振付)
    グノーのオペラ『ファウスト』のバレエ音楽を用いた作品で、ソリストの男性1人を除いて全て女性、振付もクラシカルなヴォキャブラリーで構成されていて、いかにもバレエといった華やかな雰囲気の作品でした。終曲ではそれまで結んでいた髪をほどき、下ろした髪を振り乱しながら踊りワイルドさも感じられました。
    プリンシパルを踊った吉田都さんは回転のときも跳躍のときもキレと安定感が際立っていて軽さと滑らかさもあり、流石の貫禄を感じさせました。腕の情感溢れる表現が素晴らしく、どちらかというと小柄な身体なのにそれを感じさせないスケール感がありました。唯一の男性ダンサーであるロバート・テューズリーさんは出番が少ないのが残念でしたが躍動感のあるダンスでした。

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