ヴェニスの商人 公演情報 ヴェニスの商人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/12/07 (土) 12:00

    シェイクスピアの中でも初めての『ヴェニスの商人』でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    本年随一のシェイクスピア作品の上演だが、ファンクラブのお好み上演と判断され、一席の余地もない草薙ファンの客席である。これは映像で見ても仕方がない、演劇ならばこそのナマの現代最高レベルの舞台である。だが、きっと演劇ファンにはチケットが手に入らなかっただろう。演劇ファンには残念、チョー大いに残念である。
    青年館ホールのノーセットの舞台に十七人の俳優たちが登場して舞台奥の横一列に並ぶ、薄暗かった舞台に明かりが入って、ここから一幕二幕とも70分、休憩20分の「ヴェニスの商人」が裸舞台でほとんど原テキスト(松岡訳)通りに展開する。
    花嫁の三つの箱選びまでが一幕。ここまでは、ユダヤ人や金融商人の仕組みを含め、あまりなじみのないヴェニスの社会事情を基にした葛藤があっていささかダレるが、それを救ったのは、ポーシャ役の佐久間由衣の大健闘。バサーニョの富裕層ぶり。も面白い。ここをそれぞれの登場人物の生き生きとした自己主張でつないでいったところが上手い。ここを既存の位置づけで了解してしまうと、この後が、勧善懲悪の話になってしまう。二幕はバサーニョの箱選びから、舞台はヴェニスへ。後は一瀉千里で大詰めの裁判になる。
    なんと言っても草薙剛のシャイロックで、今までにない被差別の地位から主張する見たことのないシャイロックである。世間に負けず力強い。今までに娘にヨワイ、男の友情なぞという作りのこの作品は見たことがあるが、社会と戦う(しかも負けない)シャイロックで社会劇、人間劇としても成功している。演出者(森新太郎)の芝居のもくろみが首尾一貫して気持ちが良い。
    制作会社がCulenとなじみのない会社で、これはジャニーズ脱退組のSMAPの三人の会社である。一見芝居の座組慣れしていないキャステキングで、これで演劇ファンは逃げたのではないかとも思うが、先の佐久間、野村をはじめ、全員上手くはまっている。森新太郎の演出力は大いに買って良い。名ばかりは有名な箱選びと裁判の場以外は説明が多く盛り上がらない戯曲をノーセットの舞台でここまで持ってきたのにはびっくり!であった。

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