客入れの時こそドキドキした。
扉からホールに入った瞬間に気持ちが切り替わりました。劇場内に大音量で流れるロック。些細なもの全てをぶち壊すかの様に。その曲が止まって芝居が始まった瞬間、私はしばらくいい感じに緊張していました。やがて解けてしまったのは残念でした。
満足度★★
チケットのとれなさのわりに
仕上がりは微妙。テイストはいいのに中途半端というか。舞台の使い方は上手なんだけどちょっと分割しすぎでごみごみした雰囲気もあって。せっかくのリンチシーンやセックス描写もリアルなのとちまちましたまねっこが入り混じちゃったり、もったいない。
美しさが垣間見える。
美しいシーンがいくつか。
ただ、それを繋ぐことが、あの大きな劇場では困難でした。
近づいてみたらソコに確かに空気は流れていたのかもしれないけれど、遠くからは感じることはできなかったし、あえて小さな空間を固定したことで、こちらまで伝わる広がりがうまれなかったのかも。
初めてみたので、なんともいえないのだけど、
きっと明らかに不利な条件のホールに挑んだのだろうなぁ。
個人的にはもっと大雑把にやればよかったのかも、とも思う。
でも細やかに紡ごうとしたからこそ、ラストは最高にうつくしかった。
満足度★
素直に言って
いらない肉付きばっかり多かった気がします。たぶん真ん中の二人は、ピュアピュアなかんじで愛とか語らせたかったんだろうけど、嘘くさすぎて台詞もなにも書けなかったんじゃなかろうかと推測します。あの裸の子は「手も足も出ません」てことを体現してるのでは?なんかもう尾崎豊とか流れてきそうなベタすぎる構図でキーッとなった。ありえへん。
言いたいことはまだまだあります。殴ったり犯したり、本当っぽく見えなきゃ何の意味もないシーンがかなりおざなりなこと(怖くないんだもーん)、なんだか知らんが突然大音量でさむい曲が流れること(敢えて寒いのを狙ってるんじゃないかと疑ってしまうくらい)それからこれ、わざわざ舞台を分割して演劇としてやる意味あんの?と思ってしまうこと。まあ意味なんかないんだろうけど、そんな疑問を意識させてしまう時点で失点大きいと思うよ。ポツドール大好きなのにそのスタイルを汲むここが二回観て二回とも駄目なのは、このへんに無自覚というか理解できてないからなんだと思う。
いかに暴力シーンをうまく処理するかって考えるのもあるけど、もっと大きくとらえれば「いかに暴力があったっぽく見せるか」が考えられてればいいと思うんです。話を成立させるにはね。嘘にしかならない部分はできるだけ迂回して進めていくのは小劇場の鉄則だとおもうんですが……。
いやーなんかね、そんな数みてるわけじゃないんですが、暴力シーンは暴力で、セックスシーンはセックスでしか描けないようなのが「わーリアルですごいね」みたいに礼賛されちゃってる傾向がある気がする。ベタ。直情的で動物的。で、もし「リアル」でいくんならいくでね、やりきれよ、と。
満足度★★
人間関係が希薄。
台風の中、三鷹へ。
半ストップモーションや暗転の使い方など、smart ballな時間は面白さの可能性を感じますが、噛み合ってない印象を受けました。それを描きたかったのかなとは思いますが、人間関係が希薄で、人物も薄く、前作で心を掴まれた台詞もあまり印象に残らず残念でした。音の使い方はらしさを感じたり。
満足度★★★★
話も絵面もギリギリの線で成立。
大きな舞台だけに5カ所に分割して話を進行。内容もビジュアルも際どいトコはあるものの、求心力は失わず、巧く見せている。127分。