公演情報
「きっと、私UFOを見た。」の観てきた!クチコミ一覧
映像鑑賞
満足度★★★★
ここ数年で見事にヨーロッパ企画のファンになり、その流れで本劇も配信にて鑑賞。
ヨーロッパ企画の25周年を記念したアニバーサリー作品。本人役を演じる劇団員たちが、タイムマシンに乗って、これまでのヨーロッパ企画の軌跡を振り返りつつ、日の目を見なかった"幻の台本"の数々を上演。そして、記念すべき劇団第一作「ところで、君はUFOを見たか」を経て、最新作「きっと、私UFOを見た。」が披露される。
割と劇団ファンとしては新参だが、それでも、過去作を包括するようなタイムスリップ演劇に大満足。
というか、なんなら、ヨーロッパ企画版『アベンジャーズ/エンドゲーム』みたいなことをやっていて、本当にこれは観て良かった。
そういう点からも劇団初心者には勧められないが、ヨーロッパ企画ファンにとっては文句のつけようのないスペシャルな舞台だった。
例えるのであれば、結婚式のおめでとうムービーや在校生が卒業生に送るお祝い映像に近い愛おしさと遊び心があったと言えるのかもしれない。
さらに、『夜は短し歩けよ乙女』の中村壱太郎さんがゲストとして登場したり、直近のヨーロッパ企画による傑作『切り裂かないが攫いはするジャック』のセルフパロディがあったり、松居大悟監督と上田誠監督の思わぬ過去についての再現エピソードがあったりと、個人的には、めちゃめちゃテンションが上がる要素が多数。
ヨーロッパ企画メンバーが本人を演じるメタ構造が最高なのはもちろん、思わぬ形で怒涛の伏線回収が行われるクライマックスには興奮した。
なんらかの形で、また映像として見たい気持ちはありつつも、それがないことにこそ、大きな価値がある気もする大傑作だった。