アンティゴネアノニマス‐サブスタンス/浄化する帝国 公演情報 アンティゴネアノニマス‐サブスタンス/浄化する帝国」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    冒頭、登場した姉妹が「これまでのあらすじ」としてギリシア悲劇のオイディプス関連のストーリーを語ってから始まるが、いざ始まるとそこは死体をゾンビ化する技術が確立された3000年後の世界。
    そうして語られるのはギリシア悲劇ともブレヒトの戯曲とも異なり、2017年の初演(未見だがCoRich舞台!の公演情報を見た)とも異なる(初演版のアイテムや元ネタの基本設定は踏襲)「思想劇(?)」。
    前半では死生観というか、生と死に関する哲学的なものを感じたが、後半では「戦争を起こすもの/戦争を持続させるもの」に言及してあちこちで戦火が起きているイマだけにズシリとした重みを感じる。
    あれこれしんどかった。

  • 実演鑑賞

    紀元前に書かれた戯曲、そして第二次大戦後にブレヒトが改作した戯曲、そして2016年にお布団の得地弘基によって書かれた戯曲と、長きに渡り紡がれ続ける『アンティゴネ』の物語ーーと言えるかもしれない。近年の演劇界では、こういう「時間軸を超えて複数作家によって描かれた一作」の上演も見かけられる。これもまた、演劇の魅力と言えるかも。

    ギリシャ悲劇の『アンティゴネ』を基点に、20世紀、そして21世紀へと受け継がれた、暴力、そして戦争について。

    ネタバレBOX

    劇中に登場する、とある姉妹が受ける暴力と、その背景にある権力情勢、更に戦争など、直接的な描き方で「人が人へ与える暴力性」を描いている…と感じました。裏を返せば、その暴力から離れる為には?について想像する機会に繋がるかもしれません。劇の内容自体は残忍さが含まれたシーンもあるけれど、見え方は割とドライで、客観的とも言えます。ゲームや音楽など、現代的なモチーフを取り入れたシーンも多く、古代ギリシャから令和の日本まで、長い時間軸を繋げて融合する創作に見えました。

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