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かえる
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住み込みの女(533)
実演鑑賞
満足度
★★★
ネタバレ
ネタバレBOX
西瓜糖『かえる』を観劇。
初見の劇団。
あらすじ:
太平洋戦争末期、中野の自宅が焼けてしまい、初老の父と妹、次男の嫁の三人が葉山に越してくる。そこに不在だった次男(作家)が愛人とその娘を連れてきて、一緒に住むことになる。
貸家の大家さん、傷痍軍人、看護師、女性編集者などが出入りし、貧しいながらも、賑やかな生活を送っている。だが敗戦が濃厚になってくると、互いの感情が爆発し、手に負えない状況になってしまうのであった…。
感想;
戦火の中で、人がどのように変わってしまうのか?が描かれている。戦争体験がなくとも、未だに他国では戦争が行われているという観点で見ていくと劇作家のテーマが見えてくる。
軍国主義の父親、それに反する次男、狂気に走ってしまう傷痍軍人、新たなる生きる道を模索する若者たちなど、被害を被るの市井の人たちの苦しみは辛い。
ただ時間と共に不満を感じるのが、経験のない未知の時代を直接的に描くのは正しい方法論かもしれないが、誰もがやっているからか、凡庸に見えてしまい、何も迫ってこないのだ。狙いは明らかなだけに、知らない時代を見れる興奮と演劇的興奮が交差してこないのだ。野田秀樹、平田オリザ、古川健らの刺激を求めないにせよ、戦時中を描くには独自の視点で攻めていかないと、重いテーマが劇場を後にした瞬間に消えてしまうのだ。だからか二重の含みを持つタイトルの『かえる』が萎んでしまうのだ。カエルのエピソードにぐっときただけに、残念にならない。
群像劇には必ず面白い俳優がいるようで、一番出番の少ない青年が語るセリフが、現代の我々に対する生き方への道標と思えたのが救いだった。
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2024/08/29 21:25
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