『ウィークエンド』  公演情報 『ウィークエンド』 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    画餅『ウィークエンド』開幕。初日観劇。
    ここにきて画餅の様式美のようなものがさらなる高みへと極まっていくのを感じる初日でした。何を何にと言われたら即答は難しいのだけど様々の配分や配置が絶妙で、その様式美の中で今回もやはり存在感抜群の俳優陣が次々沸かしまくる全員山場の痛快さたるや!
    今回も沢山笑いました。

    作・演出を手掛けながらの出演って、俳優としてというよりも作家として存在の意味付けがされてしまうことが多いのですが、神谷さんにはとてもいい意味でそれをあまり感じない。
    切り替えなのか、切り離しなのか、そのあたりはわからないのだけど、とてもフラットにいち俳優として存在されていて、同時にご自身の演者としての強みや魅力がしっかり活かされていて、ソロプロジェクトを全うする推進力と俳優を輝かせるプロデュース力を感じます。(私は神谷さんの悲哀の滲む困った顔が大好きなので、今回はその表情がたくさん見られて、俳優神谷圭介ファンとしても大満足だった!)

    内容としては日常へのニッチな視点に加えて、社会に対する疑いというか推奨されている物事に潜むバグみたいなものを拾い上げてドライブさせるような印象もあって、これは3回公演まではない感触でとても興味深かった!インタビューでの神谷さんの言葉をかりるなら、それもまた"日常的な違和感"なのかもしれないと改めて。

    ネタバレBOX

    母乳育児への妄信的な肯定とフェチズムや執着がこんな形で描かれている作品は後にも先にもなさそうだし、授乳を経験した者から見ても母乳外来やセミナーの独特の雰囲気や断乳に対する(自分由来というより世間由来の)謎の背徳感はリアルに根差していると感じました。
    フェティッシュを害悪ととらえるか、マイノリティととらえるかという、結構ギリギリな境界を攻めた作品だけど、今世の中で起きている対立や分断ってたしかにこういう側面があったりするよなと思ったりもしました。今回の画餅の作品に社会的なものが意図的に盛り込まれていたのか、ただ私がそこに社会を見出してしまったのかはわからないけれど、大いに笑いつつも一つの変化として興味深く観劇しました。

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