還暦にピアス 公演情報 還暦にピアス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    30歳のカホがマッチングアプリで知り合ったマコは「手当てで生理痛を和らげることができる」と言う。その正体は実は300歳の魔女で、二人はいっしょに暮らすことになるのだが...。

    奇しくも誕生日翌日に、PMSと肌荒れを引っ提げた心と体でこの演劇に辿り着けたこと。
    祝福だったし、まさしく手当てだった。
    30歳の女性の言葉も、300歳の魔女の言葉もいずれも私の内側にあるものを吸収していったし、浸透もしていった。300年一緒に過ごしたい大切な友人たちにすっごく観てほしいし、300年経っても分かり合えないと思っている男性の知人にも観てほしいと思った。理由はまだ説明できないけれど。
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    ネタバレBOX

    いつだってバースデーケーキのろうそくが消えたその時から願いは現実に向かっていくこと。また一歩死へと確実に近づきながら、たまらなく生の瞬間であること。ささやかであろうと、偉大であろうと目標は生きる上での目印になること。
    ああ、思い出したら泣いてしまいそうだ。
    他者の痛みの源に手を当てること、存在への肯定と祝福、ありがとうとごめんねを思ったその時に言い合うことの大事さ。37歳になってもブラジャーの締め付けや赤すぎて黒い経血に慣れずにいることや、自分の産んだ子への愛情や願いが呪いに転じてないかの不安...一つ一つ口にはできないけど、怖いな、嫌だな、違うな、わかんないなって思ってること。そういうことに静かに頷き、時折ずばりと言い当てる様な物語で演劇だった。37歳はじめての演劇がこれで、私は本当にうれしい。

    いいへんじの中島梓織さんの戯曲はほんとうにそれぞれが漢方の処方箋みたいにゆっくり、しかし長く広く染み渡ってくる。今回は生理痛を柔らげるために飲んでいたのに、緊張や不眠も緩和されていた、みたいな感じだった。南風盛もえさんと田崎小春さんのムードもすてきで配役もすごく合っていた。岩井由紀子さんのコメントも含め名企画。

    もちろん台本も処方してもらった。明日位に私のPMSは終わり、そして月経が始まるだろう。涙とバトンタッチでやってくる血量と痛みは壮絶。お腹痛くなったら横になってこれを読もうと思う。おまけの写真2種類あって、私が選んだのは少し褪せたセピアっぽい方。もしかしてこの写真も300歳?だったらいいな。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/06/28 (金) 15:00

    青年団系の作品で何度か観た女優2人が立ち上げたユニット。気持のいいファンタジー。58分。
     劇団「いいへんじ」の中島梓織が書いた脚本を2人が紡ぐ。30歳のカホ(田崎小春)は300歳のマコ(南風森もえ)と一緒に暮らしているが、今日はカホの誕生日で…、な物語。300歳という設定(見掛けは30歳くらいだと言う)からしてファンタジーだと分かるが、展開は微妙だけど気持がいい話。すごく大きな出来事があるわけではないが、丁寧に描かれ気持ちよく帰れる芝居。

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