いとこ同志 公演情報 いとこ同志」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★

    濃密空間
    筋を追うとかじゃあなく、目の前で起こったことに反応していく。
    なんだか久々に体感する感じでした。
    頭じゃなくて、心に響いたものを受け止める。
    不可思議にも思える物語だけど、不快じゃない。
    頭も心も一杯使って、ギュギュッと集中してる空気も、心地良く感じました。

  • 満足度★★★

    熟練の味わい
    いろんな公共団体が主催し協賛している作品のようなので、
    「文部省特選」のような毒のない品性正しい、
    なよなよした作品と思って観劇に臨みました。
    確かに品性の外れた部分はないけど、
    そこそこユーモアがあり、野心もあり、
    哲学的思想も含まれた真面目で力強い作品でした。

    坂手作品は、以前、名古屋の大須にある
    納戸のような劇場で「屋根裏」という作品を体験したことが
    ありました。
    韓国ミュージカル「地下鉄1号線」と良く似たテイストの
    作品だなぁと思って見た記憶があります。
    今回の作品も、基本的な構成や、路線は、似てたので
    それが、この人の味わいなんでしょうか。

    しかし、メジャーな役者が顔を揃え、
    演出家も実績があるのに、
    200人しかない東京芸術劇場小ホールが
    半分程度しか埋まっていない。
    エンターテイメントに満ちた娯楽作ではないけど、
    「たいしたことないなぁ」と思う無名劇団や、くだらない作品、
    どうでもいい自己満足的芝居を打っているような作品が
    不思議と紀伊国屋や本多劇場で動員をしている中、
    決して秘めやかに公演を打っているわけでもないのに
    寂しい客席。

    見所は、大御所、渡辺美佐子。
    4人しか出演者のいない作品で2時間休憩なしだから
    必然的に出番もセリフの量もハンパなく多いのに
    堂に入った演技で、余裕な仕草で芝居に溶け込み
    作品の展開の上での大黒柱となっている。
    他の役者が、時々いっぱいいっぱい、アップアップになっている
    様子(息が上がっていたり、キレがなかったり)が
    伺える中、最高齢(70歳位なのかなぁ)の
    渡辺美佐子は汗まみれになることもなく息を切らすことなく
    それはそれは熟練された職人技のように演じている。

    大女優さんでありながら、いわば若手の野心作のような
    作品に挑戦する姿勢、そして自己満足ではなく
    作品に風格と気品を与える芝居は一見の価値があります。
    佐野史郎も宮本裕子も、ふっとんでしまってまっているというか
    渡辺美佐子の手の中でコロコロ転がされているような
    感じのよう。

    当たり役なのか、十八番なのかどうかわからないけど
    同じような役柄の芝居や、宛書の芝居に胡坐を書いている
    商業演劇の大女優さん達も是非見習って欲しいですね。

    ただ、正直、芝居として面白味は少ない。
    舞台映像も半分は暗いので、強い集中力を持って
    観劇をしなければいけないし、理解をする努力が強いられる。
    そういう作品は、僕は苦手。

    このような哲学的な側面を持つ作品、平田オリザ作品なんかも
    含めて、折り目正しい作品を
    素直に楽しめるような観劇姿勢を持つような人間に私はなりたい(笑)。
    この作品を素直に「感動した」と言えるような人間にもね。
    今はまだ、この作品を褒め称える人は偽善というか
    格好つけているようにしか思えず、仲良くなれなさそう。
    いい作品なんだろうけど、中途半端に説教臭い作品は
    どうも、お金出してみるには腰が引けます。
    あんまり観劇中に、頭、使いたくないんだよなぁ(汗)。


    ネタバレBOX

    舞台装置が凄いんですよ。
    夜行電車の雰囲気、そして、背景に現われる緑の木々・・・
    照明の使い方も含め、良かったですね。

    でも、時間軸の設定や、現実と劇中劇、それらの
    人間関係を把握したり見極めるには、やや整理が足らないような。
    1回見ただけでは、正直よくわからない。
    かといって2回は見ないけど。
  • 満足度★★★★★

    恋と冒険は似ている
    なんか、いいぞ。
    すごく、いいぞ。
    今年のベストステージかも。

    大きな仕掛けがあるじゃなし、泣かせる訳でも笑かす訳でもない。
    一杯もののセットでの四人の台詞劇。

    シリアス劇かと思いきや、メタフィクションになったり、ファンタジーに行くのか?だったり突然コメディーしたりとくるくる舞台は変われども、全体を夜行列車の郷愁が包んでいて、観るものの視点によって色々と見方が変わりそう。

    作家が主人公で、作品と本人が交錯する辺りは「チェックポイント黒点島」に近いところも。


    東京初日ですが、9箇所回ってのトリですから芝居がきちんと出来上がってます。
    一言で言えば「いい芝居」だった

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