ヨコハマアパートメント 公演情報 ヨコハマアパートメント」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    少しだけ遠いけれど
    会場までは、
    駅からかなり距離がありましたが、
    終わってみればそんなことは全く気にならず・・・。

    ちょっと不思議なリアリティに溢れた空間。
    刹那の雰囲気からほどけていく
    アパートの住人たちそれぞれが抱くものの質感を
    しっかりと感じることができました。

    ネタバレBOX

    昼間、野毛山動物園でイベントを見て、
    地図の上ではそんなに距離がなかったので
    気軽に歩き始めたら、物凄いアップダウンでびっくり。
    で、少々バテながら会場につくと、
    とてもよいスープの匂いにまずは心を惹かれます。

    ちょっと小洒落ていて
    風変わりデザイナーマンションの共用部分、
    ギャラリーとしても使われたりしているそうで
    高い天井も各部屋に通じる階段も、
    シンプルでありながら不思議な雰囲気をかもし出していて。

    開演を待つ間、二人の女性たちの会話がBGMのように流れて
    聞くともなく聞いているその場の空気に観る側が浸されていく。
    だから、開演後のその場の物語も
    観る側の感覚との垣根を持たずに伝わってくるのです。

    役者たちが作る素の表情が、
    その場に馴染む。
    デフォルメされているのですが、
    だからこそ、しっかりとつたわってくるナチュラルさがあって、
    役者達の演技、特に間の作り方に惹かれる。

    シチュエーションの設定もしたたかだと思うのですよ。
    通常の距離感より、少し近い隣人度どおしの関係は
    観る側に刹那の空気の重なりやずれのようなものを与え、
    それが、束ねられたりすっと乖離していくなかで
    全くの他人どおしであれば霧散するものを
    そのままある種のエッジをもった感情として
    場に残していく。
    気が付けば、場の空気は
    彼らの日常の時間に解けて
    それぞれのキャラクターが抱き、かかえるものが
    観る側の印象をも染めていく。
    それぞれが抱えているものがエッジを持ってみる側に
    浮かび上がってくる。

    その賃貸マンションや近隣に住み
    パーティなどもすることや、
    たとえば夫婦、ご近所の男どおしや女どおし、大家と店子・・・
    いろんなベースがひとつの時間の中に編みこまれることで醸される空気、
    でも、刹那の時間の流れは
    単に集団の関係の肌触りにとどまらず
    もっと個人の思いとしてみる側に置かれていくのです。

    終盤、とても長い間があって、
    時間が巻き戻され、
    観客はその場をさらに俯瞰する位置にまでつれてこられる。
    前半のエピソードに連なる時間が
    刹那の描写を
    それぞれの生きていくシーンの重なりに昇華させて。

    ちょっとしたダンスのシークエンスや、
    アカペラが作り出す時間も楽しく、
    一方でそのアパートで過ごしつづける時間の感覚も
    しっかりと伝わってきて。

    終演時には
    出来事の描写の先に描かれる
    生きていく日々の質感のようなものに
    強く浸潤されたことでした。
  • 満足度★★★

    直球
    タイトルもキャッチコピーも内容も直球。
    ひねりをきかせてはいるものの、物語の軸はまっすぐの印象。

    同じアパートに暮らす人々の話。
    恩田和恵さん、麻生O児さんが好演。

    バス停で座員が待機していて観客を会場まで案内してくれるのですが、そこからもう芝居がはじまっているような楽しい導入で、実際にその町歩きが、作品鑑賞中に活かされます。

    感情表現がやや誇張気味なところがあります。あともうちょっとだけおさえたほうが、よりわかりやすく自然に伝わったり、くみ取ってもらえたりするのではないかと思います。

    それぞれの登場人物に存在感があり、セリフも衣装もその人らしさがよく出ていました。
    いろいろなことがあるし、ときどきはすべてを抱えきれなくて零してしまうこともあるけれど、人はそれでも生きていく、生きていかなくては、生きていきたい、と思わされました。

    会場自体の空間の魅力と合わせて、その場にいることが心地良くなったり、ときには居心地が悪くなったりして、同じ場所と時間を共有できている感覚を味わえた時間でした。

    ネタバレBOX

    ポジティブ・メソッドが妙に説得力があって楽しかったです。

    シャボン玉がきれいで切なかったです。

    篠原さんはシゲさんが好きだったのかを確認するためにもう一度観たくなります。

    交流会で頂いたカレーがおいしかったです。ごちそうさまでした。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしき人間賛歌
    まず、会場の雰囲気が素晴らしい。初めはびっくりしましたが、話が進むにつれて日常を切り取った一場面に本当に入り込んだようで楽しかったです。

    そして、嫉妬や虚飾と言った心の闇の部分も全部ひっくるめてそれが人間だと開き直り、何だかんだ言いながらも人間肯定している物語にもの凄く共感出来ました。
    登場人物それぞれが悩みやダメな部分を抱えながら生きていく姿が本当に良かったです。

    ネタバレBOX

    人間賛歌とタイトルに書きましたが、人間哀歌と言うか人間哀悼歌も良いですね。その前に仕掛けに気付いえいたた自分でもコーラスの部分は不覚にもきましたね。

    最後に無謀にも横浜駅から徒歩で向かい、さんざん迷いましたが、会場周辺に直前にも関わらず出演者さん自らが道案内してくれてとても助かりました。ありがとうございました。
  • 満足度★★★★

    日差しが暖かかった
    階段の上に座っていたのですが、役者さんの顔がよくみえるし、舞台の一部にいる訳だからなんだか自分も住人の一部になったようで楽しかった。何より日差しがあったかくて雰囲気がとってもよかったです。カレーの香りもとっても美味しそうで(笑)

    ネタバレBOX

    途中久美が酔いだしてから空気が重くなってまた何か言われるんじゃないかとハラハラドキドキ。重い空気の作り方が上手いなぁと思いました。 
    後半はじーん。自殺した人に気付かなくて、普通に食事に参加している様だったので知ってからびっくり。その点でまわりとの関わり方をもう一回最初から観てチェックしたいと思いました。 あと芝居がスタートしたのに自分がバカだったからかもしれませんが、いまいちわかんなかったのがちょっと残念でした。
  • 満足度★★★★★

    面白かった
    オクムラ宅「かもめ」でも思ったが、住宅街での公演は大きな声や音がご近所迷惑ではないかドキドキしてしまう。
    なかなかスタイリッシュなアパートの共同スペースのパーティーの物語。
    五感を刺激するとはよく言うが、今公演は特に嗅覚を刺激された。パーティーの料理が実に美味しそうで良いニオイ。

    物語も淡々と進むが登場人物の悩みや心の闇が語られ、やや強引な設定もあるが引き込まれた。

    駅からの遠さが苦にならないほど良い作品だった。

    終演後に役者さんと観客でささやかなパーティーがあり、ご親切にカレーを勧めていただいたが、所用でお断りした。美味しそうだっただけにとても残念・・・。
    ありがとうございました。

    次回作もぜひ観たい。

    ネタバレBOX

    シゲさんが死んでいることに気がついて、全ての辻褄があって気持ち良かった。やられた。なるほど。

    ミネラル水女がツボで笑いを堪えるが必死だった。
    お芝居の始まり方が良かった。
    鎮魂の歌とシャボン玉に感動した。
  • 満足度★★★★

    宝物のような
    昨日行って来ました。
    今までこんな場所でお芝居見たことなかったです。本当に普通の住宅地の中にある、ちょっとおしゃれなアパートの中の空間。
    それなのに、劇場で見るより「演劇」を見ている、という実感があったなあ。不思議。

    内容はひとことで言うと、日常の中にある宝物を見つけたような、でも嬉しいというより、ほろ苦い気持ち。それが役者さんの演技だけであれだけリアルに感じられるとは。はっきり言って驚きました。
    行けば分かると思いますが、この公演は色んな意味で再演は難しいかも。
    行きたいと思っている人は行った方がいい、と思います。おせっかいですけど。

    また、観客が座る席もいくつかチョイスがあります(自由席なので選びたい人はちょっと早目にいくとよいです)。今度はあっちの席で見たらどう感じるんだろう。昼じゃなくて夜だったらどんな感じなんだろう、という興味もわきます。
    それだけ面白い空間なんですよね。

    駅から多少遠いんですけど、これから演じる役者さんたちが道案内に立ってくれていたりして、すでに到着する道の途中からソルトワールドが始まっています。おススメです!

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