実演鑑賞
満足度★★★
戸山公園野外演劇祭参加作品。平泳ぎ本店の俳優たちのチャーミングさと野外劇ならではの空気、時間の経過に伴うその変化などが相互に作用しあってよい上演になっていた。
堀田善衞『若き日の詩人たちの肖像』を原作とした舞台を戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊野外演奏場跡で上演するという趣向は、能のような効果をあげているという点において評価できる一方、平泳ぎ本店の「マッチョ」なキャラクターは(それはチャーミングさとも切り離せないものなので一概にそれだけで否定すべきものでもないと思いつつ)作品で描かれる反戦的なメッセージを裏切っているようにも思え、テキスト構成の(見れないほど破綻しているわけではないが必然性もさほど感じられない)ゆるさも相まって、やはり演出家なりドラマトゥルクなりが必要だったのではとも。
実演鑑賞
満足度★★★★
新宿区にある「戸山公園」にて上演された野外劇。近隣には学習院女子大学、早稲田大学、都立戸山高校などがあり、学校に囲まれた、緑豊かで人々の行き交いも多い公園でした。18時30分開演、上演時間60分。ゆっくり日が暮れていき、闇が広がり、表現が街へ伝播していく。野外劇の醍醐味のひとつに「街との一体感」があるけれど、今作は「ステージを基点に想像力をどこまで広げられるか?」という、表現の能動的な営みを感じることができました。