実演鑑賞
満足度★★★★★
近未来SFの一本目は「死ぬこと」すでに長寿は歓迎されなくなっており、70代のうちに死を迎えなければならない(とは明確には言っていないが)。79歳の死は「ずいぶん頑張ったなあ」と言われている。死期を自分で決められるのかどうかは分からなかったが、穏やかに死を迎えるためのプログラムに登録しておいた女座長の元には、いよいよと言う時にはイケメン?のAIアンドロイドがやってきて、人生を走馬灯よろしく振り返って見せてくれる。そのための情報は全てこのアンドロイドが記憶していると言うのだ。そしてこれで穏やかに眠りにつけると言うはずが、座長の心には「このままでは死ねない」と言う思いが・・・
先日義父と母を見送った私には身につまされるところがありました。そして我が身も他人事では無いと思うのでした。
二本目は「生むこと」。借金に悩む非正規の女の元にやってきた女性エージェントは「あなたが以前預けた凍結卵子を売ってくれ」と言う。もはや少子化は普通の出産ではどうにもならないほどになり、人工授精した卵子で代理母に産んでもらうしか無いと言う政府の極秘プロジェクトらしい。すでに妊娠が安全ではない年齢の非正規の女は「父となる男はイケメンでなければ許可しない」などの条件をつけて卵子を手放すが諦めきれない。エージェントは女子刑務所を訪ね「母性愛に溢れ体も丈夫」と言う受刑者を減刑や報奨金を餌に代理母を引き受けさせた。しかし、その後の再検査で凍結卵に欠陥が見つかり、エージェントは自分の凍結卵子を持って極秘プロジェクトと連絡を取る。「私だって私の血を、子孫を残したいのだ。私の卵子を使って欲しい」しかし・・・
二本とも笑えるけどちょっと、いや考えたら結構怖いお話でしたが面白かったです。
近未来と言いつつ昭和テイストがありましたが、今必要な内容のお芝居と思いました。
山形でのご活躍を期待しています。また東京にも来て下さいね!