東京在住資格 公演情報 東京在住資格」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ストーリーはちょっと共感できず…
    在留資格は人の価値を証する物じゃないと思う。なのに特別な努力もせずに東京に受け入れられない、在留資格がないって騒いでるだけに感じてしまった。
    でも本心を映し出す別の自分や自身への問いかけの演出などは良いと思った。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    東京という<街>に住み続けることに拘る一人の女性 幸子の心象劇。10代の頃から東京に憧れを抱いているが、その理由が漠然としている。東京とそれ以外の街の違いはなにか といった明確な答えはない。それを10代から30歳頃までの特徴的な出来事を3人の女優(一役3人)で紡ぐ。登場人物は幸子と幸子の周りの人々(7人)といった曖昧な括りで描いており、衣裳もそれを意識した分かり易さ。役者陣は 出捌けせず、ほとんど舞台上におり幸子を見ている。いや 見るというよりは観察・洞察するような役割を担っているようだ。

    経験しなければ解らない…東京で暮らしてみなければ、その<街>の居心地の良さや悪さは理解できないかも知れない。一方、幸子が東京に求めるモノ<希望や夢>が曖昧であるがゆえに追い詰められていく様子、それが青春の残酷さとして浮き彫りになる。小さい劇場、シンプルな舞台セットだけに、演技によって幸子の心象をしっかり伝える必要がある。その人物像は等身大の女性として巧く演じていた。
    (上演時間1時間45分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    平板で組み立てたベンチ状のものが 配置を変えて上手/下手にあるだけ。上演前にはどこかの駅のホームアナウンスが聞こえる。雑踏が東京らしさを表している。幸子は東京に住みたいため東京にある大学(関東商科大学?)へ入学する。4年間をコンビニバイトで生計を立てるという、典型的な女子大生の描き方をしている。そして、東京に居続けるための就職活動やその後の暮らし、その厳しい現実が彼女の漠然とした考え方(東京暮らし)に立ちはだかる。就活の不調、その後 何となく演劇をやりたいとオーディションを受けるといったシーンを入れ幸子の無計画や無目的といった生き方が…。この幸子とそれ以外の周りの人々の遣り取りが、公演の肝だろう。

    大学時代に付き合いだした男から求婚されるが、彼が大阪転勤になると 東京を離れたくないことを理由に結婚話を渋る。彼に仕事を辞めてほしいなどエゴを押し付ける。翻って東京の街の魅力は何か。田舎の夜は寂しく怖い、と言い 東京は外に出れば誰かがいる。しかし、比喩としての東京砂漠ー見知らぬ人同士にとっては昼間でも寂しく怖く、そして残酷だ。東京という<街>は、地方出身者の受け皿で在住資格など要らない。公演は、幸子の心象と <東京の街>という表現し難い不思議な魅力を描き出そうとしているような。そこにもう一人の 存在しない主人公が横たわる。

    幸子(3人)は白ポロシャツにデニムスカート、幸子以外の周りの人々は黒のポロシャツで統一し、敢えて性格や特徴を表現しない。没個性にすることで逆に幸子の心象を鮮明にする。幸子の辛苦や葛藤、その叫びに呼応するように学校の卒業式で見られる 呼びかけ、いや問い掛けをする幸子の周りの人々。幸子が立ち、周りの人々が舞台と客席の間に体育座りをして群唱する。買い物にしても情報収集にしてもインターネットを利用すれば都邑の差はそれほどないと。

    ラストは、東京在住資格に拘らない、住居同様 更新せず新しい場所へ。どんな時でも「立ち止まらない」といった前向きな姿勢を見せる。公演は橙色照明の濃淡、その諧調によって情景や情況を印象的に観(魅)せる。また音楽にしてもカラオケシーンやギターの生演奏など、曲が青春っぽくて清々しい。
    次回公演も楽しみにしております。

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