満足度★★★
台詞が美しい
ただ、台詞が昔の美しい日本語なせいか(本作、小説で読んでみたいな)、どうしてもテープレコーダーが誕生する以前の戦前の日本のような雰囲気が全体にただよっていて、最後まで違和感が拭えなかった。劇中で時代設定を明示しているわけではないので自分がそう感じているだけなのだが、あれがテープレコーダーでなく、朔夜が書き綴った日記とかだったらしっくりきたのに、という点でちょっと残念。
満足度★★
萩原朔太郎を好き?
前半の展開と後半の展開にちょっと違和感あり。脚本書いた人の自己満足に終わっているような気する。もう少しの熟成があれば・・・・。
内容には直接関係ないが、ベニア板を敷いただけの舞台は、まるで二条城の鶯張りの廊下を思い出す賑やかさ(笑)で、台詞の邪魔になっているのが惜しい。暗転のときのSEも無いので、同じく何をしているのか、必要以上に気になった。
満足度★★
耽美的な台詞
複雑な事情を持った家族が崩壊していく物語を、ほとんど役者と照明だけのストイックな演出で描いた、落ち着いたテイストの作品でした。
アングラ系とは異なる質感の耽美的な雰囲気が魅力的でしたが、舞台作品としては物足りなさを感じました。
ピュア過ぎる息子、同性愛者の娘、子供と血の繋がりを持たない再婚してやってきた父、やつれた母の4人のバランスが、ある事実が明らかになることによって崩れるという物語は分かりやすかったのですが、ありきたりでもあり、この内容を新作として作る必要性があまり感じられませんでした。
「~ですわよ」、「~なくって?」といった古めかしい言葉遣いや、詩的な台詞の言い回しに不自然さがなく、眈美的な雰囲気を出していて良かったです。ただポケットカセットレコーダーが物語の中で登場することと文体の時代設定が合っていなくて違和感を覚えました。
劇場の大きさに対して演技がやや大袈裟に見える役者が多く、いまいち登場人物の心情が伝わってきませんでした。
変に笑いやお涙頂戴シーンを作らずに淡々と進める演出は個人的には好きなタイプの演出でしたが2時間弱という時間の中でもう少しメリハリを持たせた方が集中力が持続すると思います。
台詞へのこだわりは強く感じたのですがビジュアル表現がないがしろにされている感じがして残念でした。上野小劇場は初めてだったのでいつもそうなのかは分かりませんが、ベニヤ板剥き出しの床と舞台奥の傷の目立つ大きな白いパネルは作品全体の印象を安っぽくしていて勿体ないです。いっそのこと、完全な素舞台にして家具だけちゃんとしたクラシカルなものを並べた方が眈美的な作風に合うかと思いました。
また、ベニヤ剥き出しの床は歩行音や軋みが台詞の邪魔になって気になったので、カーペットかリノリウムを敷いた方が良いと思いました。