実演鑑賞
満足度★★★★★
すばらしかったです。「ああいったアングルで天皇責任を論じるか…」と思いました。あと、途中ギターで演奏されたBGM最高でした。あの方、かなりギターうまいですね。私も50年近くギターやっているなんちゃってギタリストですが、あの方の腕は確かですね^^ 最高の時間を過ごさせていただきました。
実演鑑賞
満足度★★★★
戦友と共に1日だけの帰省
演出の妙でこれがリアル描写ではなく外国の人の目を通した描写である事が伝わってくる
軍人の息子が自慢でたまらない家族、群がる近隣の人々
確かに彼は軍の中でも優秀らしく品行方正を絵に描いたような良い男
そりゃ家族が誇らしいのは分かるのだけれど・・・何とも薄気味悪い
何がその要因なのかは何となく・・・でも第1幕で正体はハッキリしない
第2幕は女郎屋、食欲の次は性欲ですか、というわけではないだろうけど軍人仲間を多く引き連れ入った店はいかがわしさ満載、何てユーモラスな一幕・・・
第1幕55分、第2幕50分、第3幕45分
10分休憩で途切れるデミリットはあるけれど、一幕ごとに頭をリセット、次なる変化を楽しみ、集中力が維持できて考察もしやすいので個人的には良かったです
作者の視線、確かにユーモラスでありながら鋭く冷ややか目
でも実直すぎる兵卒タナカに対しては熱い想いが込められていたと思いました
実演鑑賞
満足度★★★
世の中、知らないほうがいいこともあるということで。不運にも知ってしまったばっかりに、追い詰められて、つまらないことをしでかしてしまった男の物語。休憩時間が二回あって、そのたびにまた新鮮な気持ちで舞台に向き合えました。
実演鑑賞
満足度★★★★
一幕55分、二幕50分、三幕45分。説明文以外の情報を入れずに劇場に来たので、こんな長尺の舞台とは思っていなかったが、休憩を挟んだ構成がよかったのか、あまり長さを感じることなく観ていられた。80年以上前にドイツの劇作家によって書かれたこの作品、現在にも通じる普遍性は理解しつつも、その捻りのなさというか、愚直なストレートさには、少々古めかしさも感じてしまったかも。
実演鑑賞
満足度★★★
1940年(昭和15年)11月、スイス・チューリッヒにて初演。内容に日本大使館が抗議を入れた。ナチスに弾圧されスイスに亡命したドイツ人劇作家、ゲオルク・カイザーの作品。この5年後に亡くなっている。
1920年(大正9年)、歩兵連隊に入隊したタナカ(平埜生成〈ひらのきなり〉氏)は親友のワダ(渡邊りょう氏)を連れて東北の故郷の村へと帰省する。妹のヨシコ(瀬戸さおりさん)との縁談を進める為だ。極貧の村では英雄である軍人の帰還に大いに沸き立つ。母親(かんのひとみさん)、父親(朝倉伸二氏)、祖父(名取幸政氏)。ありったけの御馳走と酒と煙草を用意して待っている。
衣装や小物など、異国の人間がイメージした日本というコンセプト、ジャパネスク風味。
中国映画、『南京!南京!』にて南京入城の儀式の際、兵隊達が奇妙な踊りを舞いながら行進していく場面がある。それを中国人捕虜達は無言でじっと眺めている。このシーンには大日本帝国という奇妙な国と天皇を崇め奉る祭祀的国家のグロテスクさが炙り出されている。理性では如何ともし難い異様な精神の視覚化。良くも悪くも他者から視えた日本人。
今作もドイツ人の目線で異世界、日本を眺めているようだ。
天井から降りてくるピアノ線に括り付けられたフックに荷物を引っ掛ける。『母 MATKA』でもあった光景。
宙空に浮かぶ球体は国体か?
配役はこまつ座を観ている錯覚に陥る程、揃えてきた。
平埜生成氏は前園真聖やロンブー亮にも似ていて、カッコイイ。観兵式に立つことを許された誇り。
渡邊りょう氏もいい味、名助演。タナカの人となりが伝わる。
瀬戸さおりさんは綺麗だな。泣かせてくれる。
朝倉伸二氏は梅沢富美男みたいで盛り上げる。
かんのひとみさんはもう何をやっていても正解。
素直で従順で上から言われたことに黙って従い、真面目に役割をこなしてきた立派な人間。その行き着く先が非人間的なこの世の地獄。タナカの叫びが耳をつんざくラスト。この支配体系の中で誠実であることに一体何程の価値があるというのか?
これを1940年に日本人に叩き付けたゲオルク・カイザーの恐ろしさ。間違った支配構造を正すのは個人の魂の叫びだけだ。
キャッチコピー「衝撃の最後の5分間!!ネタバレ厳禁!!」
是非観に行って頂きたい。