仮面劇・預言者 公演情報 仮面劇・預言者」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    『フライングシアター自由劇場』27年振りの再始動作品。
    ポーランドの劇作家で風刺作家として高名なスワヴォーミル・ムロージェクの『予言者』が原作。
    ある国が荒れて群衆が首相官邸に押し掛けている。首相はもうすぐ“預言者”が現れて神託を述べると宥める。預言者を磔刑に掛け、生贄に捧げるのが古来よりの人間の慣わしのようだ。東方の三賢者もおこぼれを預かりにやって来る。だがやっと到着した“預言者”は何故か二人いた。

    一億年前のドラゴンの卵が孵る話が挿話される。存在しない架空の生き物が孵るなんて。

    開場時から出演者全員舞台をうろついている。楽屋がない設定で、出番のない時も上手か下手で待機している。

    東方の三賢者トリオ、串田十二夜(じゅにや)氏はジャズ調で歌が上手い。太っちょキャラでコミカルな近藤隼氏。柳本璃音さんは華がある。
    二人同じ動きになってしまう真那胡敬二氏と大森博史氏、凄く豪勢なキャスティング。いぶし銀。
    首相に井内ミワクさん、妙な味。小間使いに串田和美氏。

    コント崩れみたいなふざけたノリが続き、「ちょっと失敗したかな」と思う。だが脇に腰掛けていた串田和美氏が仮面を着け役に入った途端、世界は一変する。北野武だったり、川谷拓三だったり、三國連太郎だったり、砂塚秀夫だったり。声に秘密があるのかも知れないが、ぐっと惹き込まれ集中して観てしまう凄味。独りで映画を演っているようだ。いつの間にかに観入ってる。噺家の声色にも通ずるのかも知れない。金の取れる俳優。

    劇中歌『草原のライオン』が凄く良かった。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    ステージ奥はバルコニーの設定で群衆のモノクロ写真が壁に投映される。暴動寸前に興奮した彼等の気を逸らす為、小間使いが綱渡りを用意する。今では老婆となったかつての綱渡りの少女は花柄の傘を差し群衆のはるか頭上を歩く。月の王子様に逢いに行くように。その時、突風が吹いて哀れ老婆は墜落死。このエピソードが本編よりも良かった。

    多分、“預言者”が告げようとした神託は世界の破滅。“預言者”が二人共死んでしまった為、暴徒が国中を破壊して回るカタストロフィー。
    存在しない架空の生き物とは“神”なのか、“宗教”なのか?

    次回作は大空ゆうひさんがキャスティング!これは観たい。

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