そして誰もいなくなった 公演情報 そして誰もいなくなった」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★

    主力さん片手間・・そして誰も・・。
    たまたまなのか?前観作「長屋紳士録」を含め、本作でも感じましたが、「東京乾電池さん」主力の役者さんは、外での御活躍(お忙しいのでしょう)は目立ちますが、本隊公演は・・今一の印象。登場人物がやたら多く、独特の間の取り方なんでしょうが・・中途半端に観え、落ちも予想通りで・・、勿体無~い。劇団員さんが多い為、そこそこの集客力は期待できますが、(元々集客力のある)看板役者さんとのバランスが難しいのかも・・このままでは、観客が・・“そして誰もいなくなった”・・とならぬ様・・祈ってます。。次回作「ハムレット」・・相性の良くない劇場故・・、ん~。月末劇場とは別で、作・演出を含め若手主体(?)の番外企画でもあったら行って観たい・・ってとこかなぁ?

  • 満足度★★★★

    不条理なのに論理的に推理劇として成立し、大どんでん返しがあるという矛盾。それ自体が不条理。面白い。
    本多劇場こけら落とし第2弾として上演された演目。
    タイトルの通りクリスティの同名小説に材をとりながら、
    ゴトーを待ち続けるという味付け。

    どうも、別役実というと不条理で難解という
    イメージが強く苦手なのですが、
    その中にあっては、殺人の動機も「不条理な理屈」
    には合っている。

    本作の「不条理推理劇」としては、
    連続殺人の犯人探しのストーリーも、
    不条理な動機から客観的に理屈が合うという
    一見矛盾した状況が面白い。

    そしてラスト、推理劇として普通に?感心する?
    どんでん返しがあるというところが面白かった。

    ここがチラシの宣伝コピー「モンティパイソン的大どんでん返し」
    を指すのでしょうが、表現方法というか絵面が
    「モンティ…」なだけなので、
    他の作品を引用するのはかえってマイナスであり、
    別に、「他作からの引用を宣言するような」必要はないと思う。

    柄本さん(セリフはとんでたけど)、綾田さんという
    ベテラン勢の力の抜け切った演技もいいが、
    クライマックスでは探偵的な役割を担った、
    江口のりこさんが光ってた。

  • 満足度★★★★

    タイトルとサブタイトルにあるようなストーリー展開
    下手の観客席の壁にも、この芝居の内容がいろいろ書いてあったりしたし、推理劇でもストーリーを追うというのでもないのだろう。

    東京乾電池は不条理劇の印象が強い。
    そして、今回も別役実作の不条理劇。

    劇団の初期の頃に上演した作品だということらしい。
    そして、今回は東京乾電池35周年記念公演ということである。

    ネタバレBOX

    大きな黒い箱を男女が前後を持ちながら出てくる。
    箱を持つこと、置くことに関してやり取りが始まる。
    「箱を置けば楽になる」「誰が楽になるのか」「私が楽になる」「そうすると私はどうなる」「あなたも楽になる」「箱を置くときに指が挟まる」などという会話が延々続く。微妙に噛み合ったり、噛み合わなかったりと、まさに(画づら)も含めて「不条理劇」だ。

    その後次々に一癖も二癖もある登場人物たちが現れ、どうやら、誰かが彼らをパーティに呼んだことがわかる。呼んだのはゴードンなのかゴドーになのかオウエンなのかゴウエンなのか、パーティの理由さえも定かでない。
    とにかく、主催者を待つことにするのだが、会話は、やっぱり噛み合ったり、噛み合わなかったり。

    待つ間、お茶を飲みながら、箱からレコードを取り出してかけることにする。レコードからは、主催者らしき男の声がする。レコードの声は、ここに集まった10人は、それぞれの罪により死刑に処すと告げる。彼らには思い当たるフシがなかったり、あったり。
    さっそく1人の男が飲んでいたお茶により毒殺される。
    そして残った9人は慌て、犯人捜しをし出そうとする。
    しかし、また1人、そして1人と殺されていく。

    箱から見つかった手紙に書いてある、10人のインディアンの詩が、どうやら自分たちの運命と関係することに気がつく。
    そして…。

    全編、変な空気がずっと漂っている。
    目の上に濃いアイラインを入れたメイクを全員がしてたりして。
    そんな変な雰囲気。
    絶えず会話は噛み合ったり、噛み合わなかったり。

    確かに面白い。見せる。
    柄本明さんのトチったり、台詞が飛んでしまったり、思わず吹きだしてしまったように見せる演技も冴えている。これはほかの人にはできないレベルだ。
    江口のりこさんも、淡々としながら、長台詞を見事に聞かせ、思わず、「うまいなあ」と思う。

    「ギャグ」とかくすぐりのような台詞が、それほどあるわけではないのだが、「間」とちょっとした関係性だけで笑いに変えていく手腕はさすがだ。

    ただし、物語が妙に古めかしく感じてしまった。
    別役さんの戯曲は、大昔は「へえ」とか「ほう」とか思って観ていたのだが、この最近はどうも古くさい感じが否めないのだ。古典にはならない古さとでも言うか。
    それは、不条理劇っぽい設定すぎて(最初の箱を抱えた2人の会話とか)、それがあまりにも不条理劇そのものなのと、ストーリーの展開が妙に辻褄が合いすぎることにあろのではないかと思う。
    あまり観客を突き放さないのだ。

    例えば、この舞台のラストの「オチ」(あえて「オチ」と言ってしまうような感じ)も、「なるほどねぇー」と思ってしまうものだったし。
    もちろん、ビジュアル的には人を喰っているような感じで、大いに愉快で楽しいものではあったのだが。

    駅前劇場はとんでもないぐらいに満員だったが、35周年記念公演で、公演期間が短いのでもう少し大きな劇場でもよかったのではないかと思った。

    それにしても、東京乾電池は面白いよ、と思う。
    できたら新作を観たかったなあ、とも。
    しかし、次回は、『ハムレット』とのこと。これはこれで期待したい。数年前に観た乾電池の『真夏の夜の夢』はとんでもない怪作で、もの凄く楽しんだので。


    ついでに書くと、今回の舞台の中で、「ゴドー」という名前が出てきた(サブタイトルにもある)。もちろん「待っている」ということから、あのゴドーのことであろうと思う。不条理劇に限らず、「待って」いたりするとよく出てくる。そして、その戯曲そのものをベースにした戯曲も多く書かれていると思う。もちろん、リスペクトだったり思い入れだったりがあるのだろうが、その名前を舞台で呼ぶ限り、本家ゴドーを超えることはできないと思うのだ。まあ、わかっててやってるとは思うけど。
  • 満足度★★★

    ベケット+アガサ=別役
    劇団35周年記念公演。
    笑わせる箇所がちょっと古典的のような感じだったけど、小難しく考えず楽しめた。江口さんがいい女優さんと再認識、綾田さんはかわいいおじさんでした。

    ネタバレBOX

    締め方モンティパイソン風?
  • 満足度★★★★

    秀作!
    初東京乾電池。

    たまたま連日で別役実作の作品を観劇したが、やはりセリフのキレがすばらしかった。演技も申し分なし。面白かった。

    舞台とは別に、受付と客席案内のテキパキとした動き(進行管理)に非常に関心した。劇団の方が行っているのだろうけど、すばらしかった。

    ネタバレBOX

    とある館に集められた人たち。ゴドーという記念祝典?の主催を待つ中で聴いた蓄音機から、10人の罪が次々と告げられ、次々に殺人が行われていく‥。

    罪のために刑(殺人)が執行されるのではなく、殺されたことにより罪が生まれ、そのために事前に刑が執行されたという発想が面白い。
    笑える場面やセリフも多く、サスペンスなハズなのに、ピリピリしていない、不思議な舞台。これは脚本の力なのか、演出の力なのか。どちらにせよ、素晴らしい群像劇でした。

    演技は、江口のりこが特に良かった。
  • 満足度★★★★


    素敵、適当…??別役ワールド楽しませてもらいました。さすが、劇団東京乾電池。あの重たくサラサラとした空気って東京乾電池ならではですよね。江口のりこさんも立派になって…(笑)。夢子さんも他にみない役者さんですよね。

    ネタバレBOX

    主宰柄本さんがわざと場を壊しているのか、それとも本当に可笑しくてしょうがないのか、笑っていたのがなんか…でも、それも味になってしまうんで、歴史を積んだ劇団ってすごいな。って感じました。ベンガルさんが参加していないのが残念だったけど、次をまた楽しみにしています。

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