スウィーニー・トッド 公演情報 スウィーニー・トッド」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    18:30
    18:30

  • 満足度★★★★

    一度は観ておく価値があると思う
    終演後、若い女性客が「何度か観てるんだけど、そのたびにドキドキして、怖くてなじめないの」と話してるのを聞き、なるほどなーと思った。

    初演時に興味を持ち、市村・大竹による再演が決まったとき、一度は全編観ておきたいと思ったので、その目的が果たせてよかった。

    初演当時、私の母はとてもおいしいミートパイを作る人で、店を開いたらと勧められていたこともあり、このテーマには複雑な思いだった。


    本作はロンドンのその当時の時代背景や世相を感じさせ、怖くて後味は悪かったけど、やはり観てよかったと思った。

    隣席の中高年女性客たちが開幕直後もしばらく、今後の自分たちの観劇予定についての私語をやめず、2度も控え目に「シーッ」と注意を促してみたが、効果なし。
    場内が暗くなり音楽が鳴ったら、もう劇は始まっているのだということがわかっていないらしい。

    おまけにななめ後ろの年配の男性客は歌の場面で歌に合わせて「あ!」だの、「ウッ、ウッ」だの意味不明の合いの手を入れるものだから、集中力がそがれ、観劇環境はあまりよろしくなかった。

    ネタバレBOX

    トッドの市村、宿敵ターピンの安崎求の歌唱力はさすがだと思った。

    大竹のミセス・ラヴェットは難しい楽曲を精一杯こなしている感じで、本来ミュージカル女優ではないことを思えば、よく歌っているとは思うが、癖のある役だけに、やはり演技のほうがのびのびして見える。
    最近、歌手としてコンサートを開いているようだが、私は大竹の歌を女優の余芸ととらえ、上手いとは思わないので。

    初演の際の「ラヴェットは鳳蘭だからこそやれた」という高評価が納得できたような気がして、鳳の芸質には合った役だったと思う。やはり、初演を観に行きたかった。

    トッドの生き別れの娘ジョアンナのソニンは、私にはTVドラマや映画のチョイ役の印象しかなかったが、演技も歌唱力もあると思った。ただ、私が観た日は、声がうらがえって割れるところが一箇所あったのが惜しい。

    ジョアンナの恋人アンソニー田代万里生は「マルグリット」に続き、観るのは2度目。歌声がのびやかで、容姿も美形。ただ、同じ二枚目の役どころというせいもあり、前作のアルマンと同じような演技に見えた。演技のほうはまだまだこれからの人だと思う。


    斉藤暁のビードルの軽妙さ、キムラ緑子の「過去を持つ乞食女」の哀れさも印象に残った。

    武田真治のトバイアスは、この物語の人になりきっているところがよい。ラヴェットへの淡い恋心を語る場面や「人肉」に気づいた場面の演技がよかった。


    群衆役で、ムッちゃんこと福麻むつ美や可憐な娘役だった秋園美緒ら元タカラジェンヌが出ていて懐かしかった。なんだかんだ言っても宝塚はミュージカル人材の宝庫だと思う。こういう人たちが脇役で支えているのだから。

    陰惨な内容だけに、カーテンコールの和やかな雰囲気に救われた。


    観終わって、死ぬまでに母と同じくらいおいしいミートパイを作れるようになりたいと真剣に思った。そういう意味でも思い出に残る作品かもしれない。







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