蒼空~空どこまでも蒼く~ 公演情報 蒼空~空どこまでも蒼く~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★

    散った英雄たち
    この物語は過去に何度となく、他の劇団でも公演していたので観る機会に恵まれていた。福留食堂を主軸に描いていた劇団もあれば、片目弱視の特攻隊員・倉橋を軸に描いていた劇団もあった。それほどまでに有名な物語なのだ。

    しかしだ、時は戦時中だというのに、今回の「蒼空」は平成のメイクばりばりのKAOROSEが狸メイクで濃い化粧のまま、演じていた為、その世界観に入れなかった。女優になにもすっぴんで演じろとは言わない。しかし演出家は時代に見合ったメイクの指導をしなかったのだろうか。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    時は終戦間際。片道分の燃料と爆弾を抱え敵艦に体当たり攻撃を行った神風特攻隊らの今と彼らを支えた人々の物語。

    キャストらの演技力は秀逸で殆ど欠点はない。特に倉橋を演じた藤田の生真面目さや悲壮感漂う演技力に感服したほど。しかし、女学生の初島が吐血した血の色はオレンジ色で、どうみても軽い。やはりこの場合、どす黒い血糊でいくべきだと感じた。ちなみに赤黒い血糊は下北沢で売っている。

    更に特攻隊員と一緒に飛ぶ前田聡子のシーンはやはり、ありえるはずもなく、ここでトン引きしてしまう。それでも終盤の展開で倉橋が母と妹に逢うシーンは泣けずにいられなかった。重いテーマの中、西田と足立のコミカルなタッグは一時の笑いを誘うシーンで構成としては上手いと思う。全体的には上記の課題さえなかったら完璧に近い舞台だったと感じた。それだけに惜しいのだ。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい公演!心が震えた!!
    何と表現したら良いのだろうか?
    とにかく非常に良い時間を過ごせた!
    また、良い劇団に出会え、幸せである!
    特攻隊をモチーフにした芝居。わずか60余年前の出来事。
    日本人なら観るべき内容だと思う。我々がどんなに幸せな時代を生きているかが分かる内容であった。そして、大切な何かを気づかせてくれる内容だと思った。
    あとはネタばれで。

    ネタバレBOX

    主人公、倉橋上等飛行兵曹が特攻隊となって死ぬまでを描いた芝居。
    飛行技術を持ちながら、事故により弱視となった倉橋の任務は、特攻隊を戦場まで誘導し、特攻を見届けて戻って来るもの。

    大切な仲間たちが、次々と特攻で散っていくのをひたすら見届ける日々。
    辛い任務でありながら、心無い特攻隊員からは「死神」と言われてしまう。
    そして、戦火は非常に悪くなり、ついには倉橋にも特攻隊飛行長から特攻志願をして欲しいと頼まれる。

    特攻隊飛行長が自ら特攻隊となることを決意したときに発した
    「若者だけを特攻させることに常々疑問を感じていた。一人ぐらい責任をとる大人がいてもいいだろう」というセリフが非常に印象的で共感できた。

    平和な蒼い空を飛ぶことを望んでいた倉橋。
    愛する祖国、愛する人を守るために特攻していった隊員たち。
    「果たして、今の日本は、特攻隊の方々が望んだような国になっているのだろうか?」と考えてしまう。

    劇団の主宰(倉橋役)からの挨拶で、3月の大震災で実家の気仙沼が被害を受け、「人の命、優しさ、温もり、絆、感謝」を深く感じたと言われていた。
    この芝居を観劇して、私も同様のことを感じられた。

    私の拙い文からは伝わらないことがたくさんあるので、可能であれば芝居を観劇することをオススメしたい。

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