薬指の標本 公演情報 薬指の標本」の観てきた!クチコミ一覧

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  • 静謐
    また今頃ですみません。
    小説の舞台化となると、既読/未読、2つの客層があることになり、私は後者。なかに入ってみて、結構広いと感じながら席につく。舞台の広さとセットされているものとが、少し不釣合いに感じつつ物語がはじまる。 以下、ネタバレ。

    ネタバレBOX

    思い出の品を標本にする…のは、わかったけど、全編通して非常にゆったりとしたペース。原作もそうなのかな。終始気になったのは、どうも空間を生かし切れていないこと。全体の半分くらいでしょうか使っていたのは。なので、せっかくの演技が拡散してしまい、台詞に反響も残響もなく耳の奥まで届かない。広く使おうという意図からか、無駄な動きにみえてしまう場面があった。「とても個人的な物語」が新宿眼科画廊で演じられたように、もっとお客さんと近くなれる劇場のほうがあっていると思いました。あと、終わってからスタッフの方にはお伝えしましたが、舞台上に置かれていたフォトスタンドに天井の照明が当たっていて、それが客席に反射するので観にくかったです。観る側からの舞台確認もお願いします。
  • ムスメ
    男性の役もありながら、出演者が全員女性。ハコイリってそういう意味だったのか。
    女性のみで構成されて醸されていた妖艶さは個人的に好きだったものの、それが作品の良さを際立たせる為に本当に効果的だったのかはちょっと疑問。残酷さや狂気は男性より女性のほうがそもそも似合う気がする。男性は自分の為に、女性は誰かの為でありながら通り越して自分の為に。
    原作を読みたくなった。面白かったからではなくて、「あそこは本当はどんな場面だったんだろう」とか「字の文が省略されていてニュアンスが損なわれてるんじゃないか」とかの引っ掛かりが多かったからです。

    ネタバレBOX

    男性役を女性が演じているという事に対しての決定的な提示がないので、「あえて同性愛にしたんだろうか」とも想像させられつつ中盤以降くらいで「あ、そのへんは説明する気ないんだな」と。それでもいいんです。いいんですけど、その為にはそれが気にならないだけの説得力だったり針を振り切った圧倒的な何かが欲しかったと思います。
    雰囲気は狙ったものに近付いていたのかもしれないけど、演技の細部に対しての演出は甘かった。役者はちゃんと台詞が入っていて余裕で発話していたけど、一通りゆったりもったり話す状態。その余裕を残すのであれば何か挑戦的な部分も欲しかった。老人役が二人いて、片方は老けた台詞回しをしてるのにもう片方は大してそうでもないというのも違和感。
    「見せるシーン」としては色鉛筆を拾うあれが一番やりたかったのかもしれないけど、意図が見えなくて長かった。早い内から「まさか全部拾うまで続くのか…。何を観てればいいか分からないな」と不安になりました。
    そしてあの音響オペ具合はあんまり過ぎでしょう。初日とはいえ。オペミス自体もあったけど、フェードアウト出来ずに尻切れみたいになっててその度に集中が途切れました。勿体無さ過ぎる。

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