実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/30 (日)
東京国際フォーラムにてホリプロ『ピーター・パン』を観劇。
永遠に大人にならない少年ピーター・パンの物語。毎年夏休みの時期に上演されている印象があるうえ、ネバーランドやフック船長などが登場するファンタジーな世界観は、子供向けミュージカルの色が濃い作品だと想像していましたが、実際に観劇してみると、そのイメージは若干変化したような気がします。客層を見ると、もちろん子供たちも多くいるのですが、大人たちだけで観劇している方も多くいらっしゃる。また、客層だけではなく、作品そのものの演出や音楽も本格的で、思っていたよりも総合的なクオリティーが高い作品であると感じました。さすが今年で日本上演43年目を迎えた歴史あるミュージカル作品だと思います。これだけ長く愛されていることに納得です。
また、個人的には今回が初めての『ピーター・パン』観劇であったため、旧演出との違いは分かりませんでしたが、今年の演出家・長谷川寧さんのパンフレットコメントを読んだり、アフタートークを聴かせていただくと、非常に緻密に計算されているというか、細かな部分までこだわって作品を作られている様子が伝わってきて、単純に凄いなと感心しました。「子供向けミュージカルだから・・」といって侮ってはいけないです。プロフェッショナルな演出家、キャストさんたちが繰り広げるステージはとても見応えがあり、濃密な時間を過ごせた印象です。
11代目ピーター・パン役の山崎玲奈さんは、以前『アニー』で拝見した際も印象的な表情・表現がありましたが、今回は男の子役ということで、アニーとはまた違った役作りに徹しており、それはそれでお見事でした。アフタートークの際も、足を広げ?自然と男の子っぽい座り方になっていたように感じました。フライングシーンもカッコ良かったです。フック船長役の小野田龍之介さんは『マチルダ』の校長先生役に続き、悪役?を好演されていたように思います。存在感十分で、個人的には今回もなかなかのハマり役だと感じました。キャストたちが客席に降りて、会場全体で盛り上がる歌唱シーンや、子供たちの笑い声、叫び声などもあり、コロナ禍からの脱却も感じられて良かったです。