眠らない街と愛していたが訳ありだった僕ら 公演情報 眠らない街と愛していたが訳ありだった僕ら」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    遅ればせながらコメントさせていただきます。
    運命論者 旗揚げ公演ということをかんがえれば合格点ではないだろうか。
    キャッチ―な「トー横キッズ」を取り上げた作品であり、映像を使って2人の主人公を軸に物語が進んでいく。
    役者に物語を語らせ過ぎない点も好印象だった。

  • 実演鑑賞

    旗揚げ公演にして、第35回池袋演劇祭参加作品(★評価は演劇祭授賞式後)。
    大学生公演らしく瑞々しく、そして年齢が近い等身大の人物を立ち上げる。物語は新宿の歌舞伎町の中心にあるTOHOシネマズ新宿広場前を溜まり場とした若者の生態を描いた堕思春期劇。

    新宿、それも通称トー横界隈を描き出すため映像を用い、その雰囲気を演出しようとする工夫。そして中心になる少女2人の衣裳に住む世界・環境の違いを表す。表現し難い心情をどのように表出できるかが課題であろう。それを少女2人の境遇を微妙に変化させ描く。しかし どうしてもダークな面を取り入れないと ドラマとしては盛り上がらない。トー横界隈=倦怠/堕落した若者=犯罪の温床=闇社会といった画一的な筋書きのように思える。そして、その理由/原因が家庭や学校という捉え方に狭さを感じる。救いは闇社会にいる者と一線を画そうとする少女の態度と その後の行動。
    (上演時間1時間40分 途中休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は、中央奥に白幕でスクリーン代わり、左右で段差が異なる台。上手に置き台のようなものがあり 床にはコミが散らかっている。多分 縁石と広場の汚さを表しているのだろう。

    瑞々しさの表裏と言えるか、演技が少し粗いような気がした。例えば缶ビールを飲むシーンでは、泥酔していないのに 缶を傾けたまま口元から離し、焼き肉を食べるシーンでは口元へ運んでいない。細かい仕草も丁寧な演技をすることによってリアリティがうまれる。せっかく新宿街の雰囲気を出し、心情という表現が難しい…いやトー横キッズという注目度・社会問題という目新しい観点に挑戦しているだけに惜しい。

    主人公 舞(松沢佳奈サン)が興味本位であろうか トー横界隈に行って知り会ったルミ(ハナスエトミ サン)、新(246番街サン)と過ごした一時期、それを現代世相に絡めて描く。家庭や学校に居場所がない空虚さ、親しい友達もいない寂しさ、そんな思春期の不安定さが観てとれるが、決定的な詭道さが観えない。たしかに闇の仕事(未成年売春等)も出てくるが、舞が優等生すぎて闇世界と一線を画している。トー横界隈の危うさにどっぷり浸るのではなく、客観的に観ているようで緊張感が伝わらない。敢えて 優しく無難に仕上げた、そぅ救いをもたせるといった印象だが…自分は肯定的に捉えた。

    衣裳は、舞が制服、ルミが秋葉原等で見かける可愛いいフリルもの、新はカジュアルで、そこに三者の立ち位置が見えるようだ。舞はこの先 大学まで進学し、ルミは闇に沈みといった展開のようだが、深追いはしない。あくまでトー横界隈で過ごした一時期を紡ぐことで等身大の若者像を描く。改めて テーマが現代的で話題性もあるだけに惜しい。
    次回公演を楽しみにしております。

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