感覚的過ぎましたね
3人のみ出演の舞台劇で、
繰り返される台詞や動きが本当に何度も繰り返されて、
大変くどく感じられました。
3歩進んで2歩下がるようなイメージにて、
散りばめたピースが見事に組み合わされた!
というカタルシスも得られず残念な感じを受けました。
満足度★★★
卒業式と地震
3月11日の地震後の生活と、過去の中学の卒業式の日のある出来事がコラージュ的に交互に何度も繰り返されながら展開される構成の作品でした。
言い間違え、言い直しを含みながら途中で話が逸れかけるモノローグや、役と役者が固定されていないことや、状況と合致していない仕草とダンスの間のような身体表現など、現代的手法を多く用いていました。
3人の女性が卒業式の日に学校に向かう途中に猫の死体を発見したものの遅刻できないので放って行ってしまったエピソードと、数年後あの地震があった後に開かれた同窓会において3人の考え方が齟齬が生じるエピソードを中心にして、そのシーンの台詞や動作が断片的に散りばめられていました。
冒頭は卒業式の答辞を読むシーンで、客席が保護者席あるいは来賓席として作品に取り込まれていていたのが面白かったです(チケットも胸章を模したものでした)。クライマックスで読み上げられる谷川俊太郎さんの詩『生きる』や3人が全力で走り続けるシーンが印象的でした。
単純な物語を凝った構成・演出で観せて興味深かったのですが、絶叫や泣きなどの感情的な演技が強く出過ぎていて、構成によって心を動かされることがなかったのが残念でした。もっと静かな演技でも伝わるかと思います。
公式サイトの「まどろ観」の説明に「リラックスできる客席」とありましたが、今回は普通のセッティングの席で、作品も緊張感のあるものだったので、リラックスという感じではありませんでした。まどろんで観る作品も観てみたいです。