うたのエリア-3 公演情報 うたのエリア-3」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    死について
    芝居、ダンス、演奏、映像、オブジェなどの断片的なシーンの積み重ねによって「死」というテーマを描いた作品で、一度観ただけでは分からなかったところも多かったのですが、単純に悲しみといった感情に持って行かない不思議な雰囲気がありました。

    前半は白を基調にした空間に赤と青と白の衣装と原色の照明が映える、モダンな色彩構成の中でのパフォーマンスでした。同じシチュエーションのシーンをバレエとコンテンポラリーダンスの2人のダンサーが交互に踊る対比が美しかったです。録音された台詞が劇場中の様々な場所に設置されたスピーカーから聞こえてくるのも面白かったです。紙コップを用いた血の表現が素晴らしかったです。

    10秒に満たない小パフォーマンスがいくつも続く中間部を経て、後半はベケットの作品をベースにした、芝居の比重の高いパートでした。朝比奈さんと今井さんの白髪のおじさま2人の演技なのか素なのか分からないグダグダなやりとりの裏に潜む寂涼感が印象的でした。
    台詞の多くが録音や字幕で、生演奏もいつの間にか録音したものに入れ替わったりと、生のものが記録に置き換わっていく様が人の死の受容のプロセスを感じさせて良かったです。

    今回は音楽の生演奏が少な目だったのが残念でした。また80分ちょっとの間に暗転がおそらく20回以上あるので、暗い時間が多すぎるように思いました。

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