実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/10/22 (日) 13:00
「日本演劇総理大臣賞」の登場人物2人それぞれのスピンオフ短編二人芝居2編。
どちらも主人公とその相手との「絆」が浮かび上がって心地好く、「当時ならさもありなん」な内容ながらイマの世相にも通ずるものがあるのはさすが。
実演鑑賞
満足度★★★★
先日同じく新宿眼科画廊で観たリーディング「ファミリアー」では出演していた澤口渉氏は裏方進行に回り、ロデオ★座★ヘヴン・音野氏ともう一名との男二人組、女性二人組による二編の「余話」を観せてもらった。
戦前を舞台にした作品で、最初の女性編は、女優引退宣言をした、中小劇団の“五番手”女優に呼ばれた学生時代の級友である女性記者とのやり取り。必ずしも仲良しでなかった間柄だがズケズケと言い合う仲ではあった事が徐々に知れる。今も一つも変わらない女優“やちよ”の「女優を辞める本当の理由」に迫る。
二つ目は先輩作家(主に劇作?)の元を訪れた元弟子?の編集者との、戦時下という状況でのやり取り。かつてアグレッシブな作家活動をしていて芸術のためにはお上を恐れないと豪語していた作家が、著名作家となり、このところ日和見な作品ばかり出している事に失望を覚え、後輩はその事を伝えに来たと分かる。最後にこの先輩作家が考えを変え、危険な道を選択をするのがミソで、逆にその事で「今がどういう時代なのか」が目の前に立ち現れたのか、後輩の方がおののく。短い戯曲の中によくこの要素を織り込むものであるな・・と素朴に感心。
本編である「日本演劇総理大臣賞」とは一体何であるか、皆目不知であるが、どことなく楽しみ。