実演鑑賞
満足度★★★★
劇団の4年ぶり本公演。「おとぎ夜話・寿」は再演、「夜行万葉録・戌」は新作。
どちらもオムニバス風であるが謎解きのような構成で本筋の登場人物が語る話として1話・2話・3話があり1話はコメディ寄り、2話は怪談、3話が答え合わせの様相。ここ数作はこの構成で作品を作っているとのこと。
2話を怪談と評したが民俗学に基づいた作話である。「おとぎ夜話」「夜行万葉録」とも2話を楽しんだが、1話は肌に合わず。1話と3話がリンクする構成なので違いを出すことは必然でそれは全く問題ないこと。ただ肌に合わないだけである。
舞台中央に台があるだけの劇空間に、1話・2話・3話の登場人物はほぼ黒一色の衣装という突き詰めたシンプルさが良い。小道具が最小限でマイムによる表現が多い中、出演者が概ね実力者でよく物語に引き込んでもらえた。重さや固さ、物の大きさ。マイムだけで観ている者に分からせる充分な力を皆さまお持ちだった。「夜行万葉録・戌」1話で岡教寛さん演じる母がボロアパートの床を突き抜けて階下へ落ちていくマイムと福地教光さん演じる面打師(本業は宮司で面打ちは趣味という設定)による鑿と槌のマイムは毎度見事だった。
脚本も(コメディの合わなさはあったものの)良く、基本的には満足した観劇。
ただし、予約開始時刻すぐに予約し即振り込んだのに4列目や5列目の席を指定され「どうしてここになるの?」という座席の不可解さと、劇場の傾斜の足りなさによる見えにくさ(これは劇場のせいで団体さんのせいではないです/知っていたから即予約し即振り込んだのになあという不満はあります)で★を1つマイナス。
★とは関係ないところで、客席案内や物販対応を劇団員・制作さん以外に客演さんも手伝っているのが小劇場あるあるでほっこり。(客演さんが手伝うべきということではなく、客演さんが手伝いたくなる団体とメンバーなのだろうという解釈)
4年ぶりの本公演を喜ぶ劇団のファンのかた達が微笑ましく、また実際に観劇して団体にファンがつくことが納得できる作品と公演であることを実感した。
実演鑑賞
満足度★★★★★
『夜行万葉録・戌』を観劇しました。
妖しげな雰囲気と、謎めいた展開に、どんどん惹き込まれました。
明るい話(?)怖い話、愛の話・・様々な要素がありました。
この人物は何なのか?どんな関係性があるのか?3つの話の繋がりは?
ラストは、それがピッタリと繋がっていて、感動あり切なさあり、涙腺が緩みました。
役者さん達の迫真の演技も良かったです。とても面白かったです!