ペテン・ザ・ペテン 公演情報 ペテン・ザ・ペテン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    プロの大人のお楽しみ
    とにかく濃い人たちがドタバタ楽しげにやっているのを観るのが楽しい。
    歌も入るし、ダンスある。そして、セットも多彩。
    もちろん、豪華な出演者たちは見ているだけで楽しい。

    ネタバレBOX

    戦後間もない頃が舞台。
    傷痍軍人なども街角にいる(後で違うとわかるのだが)。

    元は3人組(柄本明・ラサール石井・藤山直美)のペテン師たちだったのだが、そのうちの1人(藤山直美)が裏切り、金を持って逃げてしまった。
    残った2人は、流れ流れてある温泉街にやってくる。

    その温泉街のある旅館では、温泉採掘とそれに伴う大型レクリエーション施設化の計画があった。採掘のためにブローカーが入り、いくつもの穴を掘っているのだが、温泉はなかなか見つからない。
    女将の妹で、旅館でダンスを踊っているダンサー(小池栄子:姉はそっくりな姉妹だと思っている)は、姉はそのブローカーに騙されているのではないかと思っている。

    そこに2人のペテン師がやってくる。彼らは、そこで逃げた元の仲間の女ペテン師と出会うのだが、彼女に女将を助けて、プローカー相手にペテンを仕掛けようと持ちかけられる。

    女将とブローカー、3人のペテン師、そして、もともとこの旅館の跡取りだったはずの息子(ベンガル:戦中に部下を死なせてしまったという悲惨な体験から戦争がまだ終わっていないと信じている男)たちが絡み合っていく、そんな物語。

    芸達者な主軸となる役者陣が、自由に楽しくやっているように見せる技術が素晴らしいと思う。
    ランドセル背負ったタイガーマスクも意味なく登場するし。
    特に、それぞれがいろんなことを仕掛けてくるのだが、それをきちんと吹いてみせたりするプロの仕事がある。
    ベンガルさんのアドリブのような台詞や、柄本さんがセットから出てしまったりすることに吹いてみせるなどだ。

    ドタバタしてみたり、現代のネタを入れてきたり、くだらないことをしてみたりと、それらを見ているだけで楽しい。

    ただ、そこに勘三郎さんもいたらなあ、と思ってしまう。

    ラストは、戦争をバックボーンにしているということで、やや教訓(説教?)臭い感じがするのが、どうなのか、と思ってしまうのだが(「戦争は男がした」「これからは女の時代や」という感じの)。
    戦争の悲惨さを、戦争体験で変になってしまった男(ベンガル)のヘンテコな笑いをまぶしつつ、ちょっと垣間見せて感じさせるだけで十分だったのではないか、と思うのだ。

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