空に菜の花、地に鉞 公演情報 空に菜の花、地に鉞」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/05/04 (木) 14:00

    はじめての渡辺源四郎商店
    笑いで包んでるけど
    けっこうヘビー。。
    演劇ならでは、、観て良かった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    工藤良平を久々に拝めた。彼の「身体」をフル活用。畑澤氏が重いテーマを軽々と扱う「遊び」の勝った舞台で、音喜多咲子、山上由美子ら常連に新顔の頑張ってる俳優も多数(人材には苦労しない?)。
    「北のあの方」の命を受け、青森の核再処理施設に潜入した青年の前に、このお方が現われる。「わが国の科学の粋を結集した」脳内図像伝送技術?によって工藤良平演じる北の方は頻出する。核処理施設の安全をPRする展示館のマスコットガールに恋をした青年。そこにも現われ「惚れたな」と突っ込むお方。
    核物質が集められ、頭上をミサイルが飛び、三沢基地も抱える当地からの舞台は恋と使命に引き裂かれる青年の物語を縦軸に、どこまでも軽妙に進む。「翔べ、原子力ロボむつ」を思い出す。

  • 実演鑑賞

    青森の劇団もここ三年東京で公演が打てなかったそうだ。開演前、いつものように座主の畑沢誠吾が前説で言っていた。県境を越えることが出来なかった、と。そんなことがあったとは知らなかった。それはいかにコロナ下とは言え、憲法で保証された基本的人権(移動の自由)の侵害ではないか。
    そういうことは、昨今、ものすごく増えてきて、その一つ一つに戦前生まれの私はやばいぞ!これは、と思うけど、世間はあっけらかんとして通している。
    このドラマは原子燃料廃棄物を押しつけられた青森の村を舞台にしたファンタジー風の作品だが、作品はさておき(というのも良くないが、きりがないので)こんな呑気なことで良いのかと思ってしまう。畑沢誠吾が少し痩せたように見えたのも気になった。健康と活躍を祈っている。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/05/03 (水) 14:00

    私の好きな工藤良平さんがはまり役なのが楽しい。このテーマが普遍的であることが、何より政治の脆弱さを表している。畑澤先生はその脆弱さをこんなエンタメにして私たちに提示してくれる。それにしてもあの”独裁者”め!

    ネタバレBOX

    舞台を囲む壁には青森のような、ヨーロッパのような、アフリカのような地図。
    地球上のどこでも起こり得る話が始まる。

    鉞の形をした半島の付け根に位置するのどかな村に、
    使用済み核燃料の収容施設ができる。
    反対運動のメンバーは、仕事と補助金に惹かれて次第に尻すぼみ、
    今や村人は皆、この施設で生計を立てている。
    今日もひとりの青年が新人スタッフとして入って来る。
    実はこの青年、密命を帯びて送り込まれた「サイボーグ」だった・・・。

    ”将軍様”のキャラが秀逸。
    残忍性と独裁国家を受け継ぐ者としての迷い、善人かと思ったらやっぱり極悪人、
    意外におっちょこちょいでお調子者、そして人の命を何とも思わないヤツ。
    気軽にミサイルを発射するのがいかにもな感じだ。

    個人的には、2012年・2014年に観た「翔べ!原子力ロボむつ」で
    「スターキングです!」と言って握手していた
    りんご王国の王のなりきりぶりに比べて、緩さが感じられたのが残念。
    物まね的な面白さはあるが、核を扱う作品の緊迫感は若干弱く感じられた。

    将軍様に忠誠を誓う青年の身体にミサイル誘導装置を埋め込んで
    彼を施設に送り込むという残忍な方法も、あの国ならやりかねない。
    ラスト、自らをめがけて飛んでくるミサイルが
    少しでも施設から遠いところへ落ちるようにと、青年は走る。
    施設で出会って恋に落ちた娘を守り、施設を守るために。
    彼の最期を見守ったのは、たった一人で反対運動を続ける女性だ。
    彼女の叫びが虚しくて、悔しくて、涙がこぼれた。

    こんな風に簡単に、偶発的に、誰かの気分で戦争は始まる。
    生まれつき偏ったいびつな独裁者によって、
    いたずらに元気な老人の部活みたいな政治家によって。
    政治が幼い国は同じ過ちを繰り返すだろう、たぶんもうすぐ・・・。


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