カサブランカ・ヨサブランカ 公演情報 カサブランカ・ヨサブランカ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    不思議な世界
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    初見の劇団ですが、別役作品を思わせるような、一編の小説を読み終えたような不思議な世界を描いた素晴らしい作品で、観てよかったと思えた。再演されればもう一度観てみたいと思います。
    開演前、セットのテレビに映画の「カサブランカ」が映っていて開演直前に終わるのですが、時間を逆算して流してるのかと思ったら、偶然だったそうで、「お芝居の神様が降りてきたみたいですよ」と関係者が教えてくれました。

    ネタバレBOX

    回想を含め、旅館の一室の出来事を描き、俳優座の森尻斗南、その妻(同棲相手なのかもしれないが)役に東京乾電池の松元夢子、クロカミショウネン18のワダ・タワーと役者がそろい、加藤記生、根津弥生の宿の女中コンビも達者で面白く、密度の濃いお芝居を堪能させてもらいました。
    松元が歌い、踊るコケティッシュな女を演じて魅力的。森尻演じる島田という文士風の男、時折「エヘヘ」と言うのだが、笑って言わないところが、昔の小説や映画の台詞のようで印象に残った。
    島田の部屋に図々しく闖入して来てまくしたてる歯痛持ちのヘンな男、三島を大真面目に演じるワダ・タワーがとても巧く、彼だからこその適役だと思った。大学に8年も行っている、こういうヒネた大学生は昔はよく見かけたのだが、作品全体が70年代風に感じられ、懐かしかった。部屋にイチョウが舞う終幕、なんともいえない余韻があった。
    「ヨサブランカ」はどういう意味なんだろう。女に翻弄され、港町に流れ着いた島田=「切られ与三郎」のことかしら、なんて勝手に考えてしまった。

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