家族の写真 公演情報 家族の写真」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    鵜山さん心酔度がまた高まりました
    題名から、もっと深刻な家族劇か、お涙頂戴ものを想像していましたが、さにあらず。
    大変愉快な心温まる、ライトタッチな、大人向けハートフルヒューマンコメディでした。

    脚本・演出・スタッフワーク・出演者…、全てが粒揃い。

    ここでの評価に惑わされ、とんでもない駄作に出会ったことも多々あった反省を踏まえ、やはり自分の直感で、観に行く芝居を選ぶ、以前の方式に戻してからは、素敵な舞台に出会えるチャンスが増えて、最近幸せに思います。

    ネタバレBOX

    まず冒頭の回り舞台の美しさに目を奪われました。
    舞台上のセットや大道具等が、背景に影となって映るのですが、それが、まるで、外の風景のように見えるのです。
    最初から、鵜山マジックにしてやられた印象。
    すぐに、観客は舞台上の架空世界の住人になれてしまいます。

    以前から、何度も拝見している石田圭祐さんが、いつの間にか素敵な中年俳優さんになられていて、これにも感激!!

    ロシア現代劇の女性作家の作品とのことですが、万国共通の、家族への思い、愛が見事に描かれた秀逸な戯曲で、すっかりファンになりました。

    4人の役者さんも全員、魅力的で、その世代の理想的な人間像を舞台上に形作って下さいました。

    死期の迫っていることを自認するおばあさんの、幸せが増え、不安や心配が軽減する度、自分の死期の予測が、1週間後から、2,3年先まで、どんどん伸びて行くのが、粋な戯曲を証明していました。

    主人公のターニャが、やがて結婚することになるイーゴリの、若い恋人と、いつの間にか、心を通わせる関係になるという展開も、とても洒落ています。

    客席の随所で、心地良い笑い声が生まれる、素敵な舞台。
    全国の演劇鑑賞団体に取り上げられるのが、実に納得行く上質の演劇でした。
    こういう本物の演劇を、もっとどんどん世間に広めてほしいなと痛感しました。

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