このままでそのままであのままでかみさま 公演情報 このままでそのままであのままでかみさま」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.5
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★

    閉じた世界
    会場に入ると、すでに舞台ははじまっている。
    ふしぎな世界をもった作品だ。
    旧約聖書の『ヨブ記』とやらを下地に、孤独を描いたとのことだが、
    それはまったく伝わってこない。
    4組のカップルによるセリフの繰り返しも
    ほとんど意味をなさない。ストーリーもない。
    それでもひきつけられるのは、いったい次なにが起こるのか、という
    作品の孕むハプニング性ゆえか。

    はじめから、この規模の空間でのみ通じればいい、
    といったつくり手の姿勢がみえてくる作品だった。

  • 満足度★★★

    幻想的
    スクリーンに浮かび上がる言葉、役者の演技、役者の発する言葉。ヨブ記はよく知らないが、舞台は幻想的な空間となっていました。

  • 満足度★★★

    抽象的
    「ヨブ記」も「ノルウェイの森」も未読だったために(?)ちょっと抽象的でよくわからなかったです.
    ストーリーの緒をさがそうとしてしまい,見方を間違えてしまったかな…
    いつの間にか始まっていつの間にか終わっていたので,現実感がなく,そういう意味では空間づくりがうまくいっていたのかな.
    ちょっと途中冗長に感じてしまいましたが…

    ネタバレBOX

    ちょうどぼんやりしてしまっていたときにどうやら役者さんの一人がケガをされたようなのですが,その後大丈夫だったのでしょうか?
    倒れた場所が座席から遠く様子がよくわかりませんでしたが,血が出ていたようですし,心配です…
  • 満足度★★

    舞台の言葉は抽象的
    序盤、「あれ?『地球割り』かい?」なんて感じたほど、抽象的な言葉の羅列で始る。誓約聖書の中に登場する「あなたはただしい。」から。
    しかし、『地球割り』ほどの芸術性はない。だから、個人的には照明、演出でもっと幻想的な世界感が欲しかった。
    それでも、たぶん、幻想的な世界観を演出したとしても、今回は現実に無理に引き戻される事件が起きた。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    物語はヨブ記の内容を表現したものだが、はっきり申し上げて観客に訴えるヨブ記の説明が甘い。ヨブ記は『旧約聖書』のなかの代表的な知恵文学の一書で、紀元前5世紀ごろのパレスチナにおいて完成された。著者は豊かな人生経験、国際的見識、高度な文学的表現技法と雄大な詩的構想力をもった無名の詩人であり、「ヨブ記」の構成は次の三部分からなっている。プロローグ(1~2章)、詩文による三友人との弁論(3~42章6節)、エピローグ(42章7~27節)。

    今回の舞台はどうやら、3~33章を抜粋し、そのカケラを抽出し表現したものかと思うがいかがだろうか?ヨブは非情な苦しみを受けながらも忠実に神への信仰の中に踏みとどまった義人だ。ヨブ記が示す大事なことは「苦難は必ずしもその人が罪を犯した結果としてくるものではない。」ということで、だから自分を責めるな。という癒しの提示でもある。

    今回の劇中に発せられた「あたしとこどもつくろうよ。そして死ぬまで幸せに暮らそうよ。」はプロポーズの言葉としては最大の殺し文句だと個人的には思っている。しかし、こういった幸せを導くセリフだけでなく、攻撃的な尖ったセリフも用いられる。そのセリフと同じように一部のキャストに殴る、叩く、突き飛ばす。を他のキャストにさせるものだから、ミサイル(東京ディスティニーランド)が殴って倒したキャストが怪我をしたのだ。

    ワタクシの眼の前で倒れた役者は目の下を3~4cmくらい切った箇所から流血!しかも生暖かい血が滴り落ちてるその顔に、更にミサイルが服で叩く。その叩いた場所が見事に膨れ上がり大きなタンコブとなって、まるでこぶとりじいさんのコブのようになってる。いあいあ、ワタクシは心配で心配でドキドキしながら見つめる。なのに、スタッフはおろか、誰も助けようとしないで放っておく。

    怪我をしたキャストはしばし倒れたままになっていたが、またまたミサイルが「自分で立てるだろ?立てなかったら救急車呼んでやるから、立てるなら自分で立てよ。」と。
    ワタクシはその言葉を聞いたときにすっかり、現実の世界に引き戻されて、「何がヨブだよ。眼の前の怪我人を誰一人として助けないで観てみぬふりをしていいのか・・?、そんな人達がヨブ記を公演する資格なんてあるの?」と思って醒めた。

    怪我人のTシャツは鮮血で染まり、顔は原型を崩し、どうにもこうにも痛々しかった。駆け寄ってグラスに入った氷で冷やしてあげたい衝動に駆られたが、舞台に駆け寄る勇気もない。また、駆け寄っていいものなのかも躊躇する。
    結果、この公演で見たものは人間の残酷さだった。

    この事件がなくとも、この劇団はヨブ記を知らない観客に対して親切ではないと思う。ヨブ記の説明を放棄してるからだ。




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