実演鑑賞
満足度★★★★
本編40分、トーク20分。もっと長かったような。広々としたホールの二面に客を入れる。ステージ後方にスクリーンがあり、日本語以外の台詞に字幕が出る。中国人か台湾人のような観客も多く、皆ダンスを志しているかのような身体付き。
“ポーランドのカフカ”と呼ばれたユダヤ人作家ブルーノ・シュルツ。1942年ゲットーにてゲシュタポに射殺される。彼のテーマは幼年期への復帰、二度目の幼年期に向けて“成熟”すること。今作は代表作「砂時計サナトリウム」をモチーフに制作。鉄道に乗ってサナトリウムで療養中の父に会いに行く男。サナトリウムの中では砂時計が引っ繰り返され時間が正常に流れていかない。
演出の小野寺修二氏のテーマは『重力と時間』ではないか。どちらも絶対的なもので生きて在る全ては完全に支配され従属している。当たり前のように。その支配への隙を見ての反撃と脱走、じっとその機会を伺っている息遣い。
人間は人生の大半を眠って過ごす。突然眠りに落ちる人々のマイムが繰り返される。亡霊達のようにも見える。一人だけ懐中電灯を持っている。
小さな鉄道模型が煙を吐き出しながらステージの外周を回る。鉄道にアタッシュケース片手に乗り込むチョン・ヨンド氏(韓国)。しかし何度入っても時間が巻き戻され乗車出来ない。列車内は混沌としていて眠る亡霊達がひしめき合っている。
リウ・ジュイチョーさん(台湾)はサナトリウムまでやって来る。雰囲気や暗い照明が「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」を思わせる。迷宮のようなサナトリウムを父の病室を求めて彷徨う。光と影の効果。医師か看護婦のリー・レンシンさん(マレーシア)に尋ねるが彼女は猿のような動作。脇の臭いを嗅いできたり、自分の爪の臭いに執着している。完全に気が違っている。
やっと辿り着いた病室。寝たきりの父親と元気に動き回る父親(小野寺修二氏)。どちらが本物なのか?どちらも本物なのか?
彼女はジェンガのような積み木のような木材を使って麻雀のようなゲームに行ずる。ルールはあるようでなく、夢中になってそれを続ける三人。謎のゲームに崎山莉奈さんも加わる。次々に並べられる木片の上を歩いていくリウ・ジュイチョーさん。望遠鏡のようなものの先端に家や樹の切り抜きが装着、光が発射されると影が町の一角を映す。
矢張り物語は冒頭のリフレイン、揺れる列車の車内へと戻る。おかっぱ頭の藤田桃子さんの存在感。梶原暁子さんはラスト近くにアクロバティックな爆発的舞踏の見せ場。
狂った時間軸を彷徨う複数の自分、この世界の謎を解くのではなく、謎を遊ぶ感覚。唯一無二の独特な語り口、しかもメチャクチャ面白い。
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国際共同制作『Hourglass』ワークインプログレス終了! 信頼おけるキャストとスタッフで、飛ぶように過ぎた濃い十日間でした。ここまで短期戦となるとやはり人の力だと改めて。自分の進むべき方向がまた一つ見えてきました。 ご来場いた… https://t.co/wudt0AsfXf
2年弱前
カンパニーデラシネラ舞台芸術国際共同制作 『Hourglass』ワークインプログレス 2022年12月23日(金)19時〜 @北とぴあ 飛鳥ホール 前売予約は終了致しました。当日券は立ち見のみ、若干枚数ご用意しております。(本編… https://t.co/mmra1nbyUe
2年弱前
国際共同制作『Hourglass』稽古。短期間の中、できる限りの可能性を探っています。毎日終了後はヘトヘト、ですがとても楽しい時間です。信頼できるキャスト、スタッフの皆さんともうひと頑張り! https://t.co/kHvOmyuqSe
2年弱前
国際共同制作『HOURGLASS』。昨日から稽古始まりました!台湾、マレーシア、韓国からご参加頂き、ゆるやかなれど確実に進んでおります!今回、王子にある北とぴあの劇場ではない、とある空間での発表です!できる限りのアイディアで日々試行錯誤。是非いらしてください!お待ちしております。
2年弱前
舞台芸術国際共同制作プログラムとして、カンパニーデラシネラとリー・レンシン(マレーシア)、リウ・ジュイチュー(台湾)、チョン・ヨンド(韓国)によるワークインプログレス公演『Hourglass』を開催します!12月23日(金)、北と… https://t.co/R2iO1SYH3z
2年弱前