ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】 公演情報 ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-13件 / 13件中
  • 満足度★★★★

    包みを開く手順の秀逸
    舞台のトーンがしっかりとコントロールされていて、
    同一の質感の中で
    幾重にも開かれていく世界の余韻まで
    たっぷり味わうことができました。

    ネタバレBOX

    冒頭のシーンから
    しっかりとしたテンションが舞台にあって、
    いくつかのエピソードが
    拡散させることなく
    観る側に置かれていきます。

    重ならない断片を
    語り部たちがそれぞれに
    膨らませていく感じ。

    一つずつのシーンがとても丁寧に作られていて
    観る側が無理なくゆだねられる。
    舞台上のロールを保ちながら
    どこか抽象的に、
    でも狂言回し的に語られる
    台詞たちが
    次第に物語の外壁を組み上げていく、
    その順序や度合いがしたたかで・・・。

    だから、エピソードたちの変遷や
    その女性が
    くっきりと照らし出される終盤が
    薄っぺらくならない。
    よしんばそれが
    打算やずるさに満ちたものであっても
    観る側はそれをあるがままに受け入れてしまうのです。

    Bバージョンを拝見したのですが
    ラストに女性が開示する心情は
    圧巻でした。
    そこに、モラルが瓦解していくなかでの手放し感や
    モラルハザードに殉じる高揚すら醸し出され、
    観る側の目を見開かせる。

    役者の演技にはそれぞれ張りがありました。
    冬月ちきはこれまでと異なる
    新しい一面を開花させたような気がする・・・。

    作品の全体的なバランスからいうと
    前半が多少重すぎて、
    それが後半の切っ先を
    ほんの少しだけ削いだ感じもあるのですが、
    でも、それを十分にカバーする
    ラストの主人公の心情表現の鮮やかさに
    目を奪われる。

    たくさんの手練を内側に織り込んで
    しなやかな口当たりで
    物語を観る側に広げていく
    作り手の語り口に
    たっぷりと満たされて・・・。

    豊かな作り手の力量を感じる
    舞台でありました。

    ☆☆★★◎△
  • 満足度★★★

    ちょっと困惑
    丁寧に作られていて、観てて飽きないけれど、なんとなくつかみどころがなく、平坦な気がします。自分の感性の問題かな。

  • 満足度★★★★★

    見応えありました
    太宰治『フォスフォレッセンス』を底流に、太宰独特の女性観を通した「女」をよく表現されていたと感じました。
    時空を意識した演出も秀逸で、ホントに楽しめました。

  • 201009031930
    201009031930@下北沢楽園

  • 満足度★★★★

    明晰夢の中…
    原典(太宰治「フォスフォレッセンス」)の骨子のみ残したほぼオリジナル。
    明晰夢から醒められなくなった女性が往き来する「きのう」と「あした」の世界、という構造は好み。
    また、AとBの合間に原典を読んだので、Bの冒頭からニヤリ。
    なお、Aバージョンの方が構造的に落ち着きが良いか?
    それにしてもここで2演目続けて猫が絡んだ芝居が上演されようとは。

  • 満足度★★★★

    「Phosphorescence」という花
    いったい太宰の「Phosphorescence」をどういじるのだろうか?と興味深々だった。現実と夢想の世界の両方に自分を置いて、その両方で生きてる男が主人公だ。しかし、この舞台では女が主人公である。序盤、宮沢賢治っぽい描写だなー。と思いきや、中盤には夏目の「こころ」も盛り込み、更に終盤は太宰というか、「本当は怖いグリム童話」みたいな世界で締めくくる毒さ加減。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台には猫みたいな「あした」が現われる。だてあずみだ。ここでの主役は洋子なのだが、だてほど雰囲気のある女優は珍しいとも思う。

    洋子はあしたときのう、つまり2つの夢を行き来する。ここでの「あした」と「きのう」は洋子の影だ。「あした」という夢の世界では他人が洋子と関わりあう世界。「きのう」は洋子の友人らが登場する世界。2つの世界は時間軸がずれて交差することはなかったが、徐々に二つの夢が近づいて一つになりつつある。

    この夢の中で語られる「猫の車掌さん」やら「雲を千切って作るドーナツ」の話は童話的で可愛いらしい。更に猫話は九州で突然消えた田舎町での情景とも絡ませる。これを南が書いたのかと思うとなんやら顔をガン見してしまった。笑

    更に物語は洋子の属性にも及び、洋子が男から受けてきた好意と言う気持ちを操ってきたこと。ナオと達也の間を画策したこと。男の気持ちを知りながら小さな棘のあるズルサを積み重ねて生きてきたこと。そういった洋子の手段をこの物語りで咎め後悔させるような舞台は観ようによっては女のずるさの代名詞とも受けとられてしまう。

    すると「やっぱり女は怖い。」なんつって意気揚々と男達は語りまるで自分達が正義のようにされてしまうのも違和感を覚えてしまう。童話のもつ残酷性や口承の物語や近代以前の物語というのは、この話に限らずおしなべて残酷なものだが、この物語の洋子が女の持つ特性なんて思われたら、ワタクシ達は生きにくいじゃあないかっ!笑



  • 満足度★★★★★

    好みの問題か。
    前作よりもよかった。成長を感じた。
    (役者は前回の方が上だった気もするが)
    人が言葉にすることを躊躇われる、困難とされることをさらっとやれる作家だと感じた。

    ネタバレBOX

    両方の公演を拝見したが、Bの方が好み。らしくない(と、自分は思った)オープニングが意外と良かった。
  • 満足度★★★

    AB両方観劇
    ひとの感情の流れというもの。
    AB両公演とも観劇した上で、やっと確かにつかめた感はある。
    自分がひとの心の機微に鈍すぎるせいもあるのだけど。

    ネタバレBOX

    簡単な、分かりやすい、「楽しさ」「娯楽」「エンタテインメント」(どれも同義なんですが)を求めがちになる昨今において、この演目は、ハッキリ言って「楽しかった!」「おもしろかった!」と諸手をあげて笑顔になれる芝居ではない。
    もちろんそんな事は狙ってもいないだろうが。
    AとB両方観ましたが、A公演のほうが、たぶん「人としては納得いきやすい」流れであったろうと思います。
    ひとの心の流れ、感情の行き先をからめとり操る、そんなの誰もが日常でやっていることだ。
    それのどこがいけないの?
    その問いかけは確かに分かるのだけど、私個人としては、それでも「それはズルイし罪悪だ」と言いたくなる。
    ずるさとその罪咎を問うことの意味なさ。
    それは、安易に流れ、「面倒なこと、面倒な人」を嫌い、近づくことも忌避するイマドキの人たちの片頬を引っ叩く。
  • 満足度★★★

    BVer.鑑賞
    夢と認識された世界と現実世界とが、繋がるための少しづつの歩み寄り。
    自己の思い込みや願望通りに現われる夢の中の人々と、現実でのギャップ。
    夢も、案内人男女2名で。切り替えとか上手でした。
    ただ調子というか、テンションの上下。メリハリの幅がもっと欲しかった。
    かな。

  • 満足度★★★★

    前回と大分雰囲気は違ったけれど
    浮遊感は素敵。

    ネタバレBOX

    夏目漱石の引用部分からぐっと引き込まれた。
  • 満足度★★★★

    美人ですな
    どうしても主役の顔に目が行ってしまいました。作品は悪くはないけれど脇役の存在にもうひとつの何かがほしいところ。満足度は3と4の中間です。ところでCorichの詳細検索で、値段で絞り込むとこの公演が表示されないのはなぜ?

    ネタバレBOX

    2つの世界の行きつ戻りつからうみだされる夢遊感がとてもよかったです。夢をもっと長く、現実をもっと短くしてほしいです、完全に自己中心の願望ですが。
  • 満足度★★★

    面白い試みだが…
    ちょっと危ないサイコ女と言われそうな強烈な個性を持ったあの現実世界の女と、列車を待っているはっきり言ってまったく無個性な夢の中の女とがつながっているように見えない。

  • 満足度★★★★★

    積み重ねた,彼女のずるさ.
    A,Bあるうち,A versionを観てきました.はじめて拝見する劇団で,どきどきしながら劇場へ.
    結論からいうと,ものすごく好みの公演でした.
    原作がそもそも不思議な話で,この公演のストーリーも途中までかなり意味不明で失敗したかなと思ったのですが,不思議さとストーリーの軸とのバランスがとてもよくて,終始楽しめました.役者さんもレベルが高かったし,特によかったのが演出.小さな劇場なのにすごく有意義な空間にしていて,音響や照明との調和もすごくよかった.終始どきどきして,鳥肌立ってました.
    すごく楽しめました! これからMinami Produceは絶対チェックしようと思います!

このページのQRコードです。

拡大